2008.02.15更新

《レポート》
日本矯正歯科学会 専門医認定審査に合格

 先日、日本矯正歯科学会から「日本矯正歯科学会専門医制度による専門医審査結果通知書」を受け取りました。結果は日本矯正歯科学会の理事会にて「合格」が承認されたと言う内容でした。

日本矯正歯科学会の専門医制度は2006年度にスタートし、250名余りが審査を申請し、156名が合格されました。私は今回、2007年度の第二回の認定審査に受験資格を取得したので審査を申請しました。
4月から申請が受け付けられ、5月には申請が終了し書類による第一次審査を受けました。審査はまず、学会の指定した不正咬合種別に合致する課題症例10症例の治療記録としてレントゲン写真やその分析、顔貌・口腔内写真、歯列模型などと治療方針やその評価と考察等をファイリングして提出します。それからこれまでの経歴や学会などでの発表の業績なども書類にして提出し、一次審査を受けます。一次審査は書類審査ですが、一次審査に合格した者は課題症例10症例の治療記録のファイルと模型を持参し、症例の展示と審査官による諮問を二次審査で受けました。

告知から申請締め切り日の5月31日までの期間が今年も短く、久しぶりに3日間連続で徹夜で資料の製作をしました。二次審査は6月29日と7月11日12日に行われました。私は6月29日にベルサール神田で行われた二次審査を受けました。日本臨床矯正歯科医会の総会の翌日であり、準備に忙しかった覚えがあります。二次審査は専門医である審査官から口頭試問を受けます。少々緊張しましたが、諮問にはきちんと回答ができたと思っています。そして8月の中旬に、日本矯正歯科学会専門医委員会委員長の府川俊彦先生のお名前で「二次審査通過」の結果通知をいただきました。

そして、9月20日と21日の両日、第66回 日本矯正歯科学会において日本矯正歯科学会専門医二次審査通過症例展示として、課題症例10症例のファイルと5症例の模型を展示してきました。展示をしたのは、昨年の二次審査で保留になっていた30名の方と、今年度の2次審査通過者42名の合計72名でした。今年度は2次審査を約80名ちょっとの方が受けられたと聞いておりますので、50%ぐらいの合格率です。とてもハードルが高い審査だと感じました。

私が今回の審査を受けて一番嬉しかったことは、今回の課題症例の資料提出に際しては「患者さんの同意書」を所定の用紙にいただいてそれを一緒に提出することが義務づけられています。
今回、資料の使用をお願いした患者さん達が快く同意をしてくださったことでした。
仲の良い先生の中には、同意が得られないので受験ができないと
いう先生もいましたが、菅沼矯正歯科の患者さん達は皆さん快く同意書に署名・捺印をして返送してくださったことで、私と私の医院スタッフ、そして患者さん達との信頼関係を再確認することができました。
資料提出に同意をしてくださった患者さんの皆様、本当に有り難うございました。心より感謝申し上げます。そして、私の診療を支えてくれているスタッフに感謝しております。

日本矯正歯科学会の専門医制度の規則を拝見すると下記のように記載されています。

日本矯正歯科学会専門医制度規則

第1章 総 則
第1条 本制度は、日本矯正歯科学会(以下「学会」という)会則第4条第三号の規定に基づき、矯正歯科領域における高度な臨床技能と学問的知識の向上を奨励し、他分野における歯科医師または医師らと互いの専門性を尊重し協力し合うことにより良質な医療の供給を図り、国民の健康と福祉に貢献することを目的とする。

第2条 前条の目的を達成するために、学会は学会専門医(以下「専門医」という)制度を設け、専門医制度の実施に必要な事業を行う。

第2章 専門医
第3条 学会は、本制度規則第1条の水準に合致する矯正歯科診療能力を備えた者を専門医として認定する。

第4条 専門医は、矯正歯科領域における診断、治療および術後管理に関して高度な医療技能と経験ならびに専門知識を有し、他診療領域の歯科医師または医師らとの協力関係にあって適切な指示を与える能力を有する者とする。

第5条 専門医は、さらに次の各号を満たす者とする。
(1)社会人としての良識、医療人として高度な医療倫理観を持つ。
(2)矯正歯科医として絶えず自己研鑽を積む。
(3)矯正歯科認定医および専門医を目指す歯科医師の育成、
臨床研修の一端を担う。
(4)矯正歯科医療について国民に積極的に情報提供を行う。
(5)国際的視野を有し、矯正歯科医療の
発展のために奉仕する。

今後は現在のところ200名足らずしかいない日本矯正歯科学会専門医として、国民の皆様の健康のためにさらに努力し、良質なる矯正歯科医療を提供していきたいと思います。

担当:院長菅沼


《歯の健康シリーズ》
『歯を磨く』という習慣 ~歯ブラシの歴史~

みなさんは、いつからどのような歯ブラシを使って歯を磨いてきましたか?
人間は何千年も前から歯を磨いていました。原始の人たちは歯と歯の間に挟まった食べかすを、草や小枝【歯木:しぼく】を使って取り除いていました。

歯木(しぼく)
繊維質の多い木の棒を15センチくらいに切って、一端の繊維をほぐし使用します。
日本が歯木を使うようになったのは538年で、仏教と共に伝わってきました。僧は仏前に礼拝する前に身を清めるために歯を磨いたそうで、これが歯磨き習慣の始まりになります。

この歯木のことを日本では「楊枝、房楊枝」といい、江戸時代には一般庶民に広く普及し、全盛期を迎えました。江戸時代には楊枝だけでなく、中国の晩唐でもあったように指に塩をつけて磨くことも行われていました。このように、明治初期まで楊枝が使われていましたが、次第に歯の裏が磨きにくい、木の細かい繊維の部分がとれて口の中に残る、耐久性がないなどの理由によりその姿を消しました。

その後「楊枝・房楊枝」→「クジラ楊枝」と変化をとげ、そして「現在の歯ブラシの形に似た歯磨き道具」に移行し始めていきました。

古い歯ブラシ 日本で現在のような歯ブラシが作られたのは1872年(明治5年)です。11890年(明治23年)の第3回内国勧業博覧会では、歯刷子(ハブラシ)の名称で出品され、「歯ブラシ」という言葉が使われ始めました。インドから輸入したイギリス製の歯ブラシを見本に、鯨のヒゲで柄を作り、馬の毛を植えたのが現在の歯ブラシの原型です。

現代と同じ形の歯ブラシ
現在のような歯ブラシは、明治初期に西洋文化とともに流入した西洋歯ブラシの模倣品を作成したことに始まると言われています。 一方、全てが手作業であった歯ブラシ製造も、1884年(明治17年)頃、綿撚車の回転を応用して、柄の穴開けが機械化されるようになりました。歯ブラシ生産の本格的な機械化、材料などの研究開発は戦後になってからです。また、歯ブラシの素材にナイロンが使われたのも日本は戦後になってからでした。その後1903年(大正3年)に小林富次郎商店(現在のライオン)が「万歳歯刷子」を発売しました。

先に話したように西洋では、1800年代に「現代と同じ形の歯ブラシ」が作られましたが、1900年になっても歯ブラシ自体への関心は薄かったようで、あまり使用されることはなかったそうです。
「歯ブラシ」は贅沢品で一部の貴族や上流社会で使用されており、一般庶民には手の届かない品物でしたが、時間と共に徐々に認められていきました。

【いろいろな歯木】
日本     → ネコヤナギ、タチヤナギ etc
インド    → *ニーム、バブール、バシール etc
パキスタン  → ピールウ etc
サウジアラビア→ サルバドラ etc
アフリカ諸国 → クルミ etc
ミャンマー  → 竹 etcニームの木と歯木

使われる木はいずれも薬木で、樹液の中に含まれるタンニンは歯茎を引き締め、フッ素は唾液の再石灰化を促し歯の脱灰を抑制します。この樹液の抽出液を使った練歯磨きも作られています。

*ニームとは
インドでは数千年以上も前から愛用されている植物です。樹液や樹皮、葉や種子もすべて活用されています。「ミラクルニーム」【村の薬局】と呼ばれ、万能樹として重宝されてきました。ニームの葉は『美肌』のためにお風呂に入れたり、『虫よけハーブ』として農業に使われたり、『穀物や衣類などの保存』のために使用されたりと用途はいろいろです。木に含まれているアザジラクチンはとても苦いですが健康によいとされ、インドではハーブの一種として庶民の生活に今も広く用いられています。

ニームの木 “歯ブラシ”という製品が長年使われているのは、歯磨きの重要さが世間に知れ渡ってきたからなのでしょう。以前は贅沢品で手の届かない品でしたが、現在では機能的かつ効率的に口腔内を清掃できる豊富な種類の“歯ブラシ”を手軽に手に入れることのできる時代になりました。皆様の口腔に対する知識も高くなり、歯ブラシだけでなくいろいろな予防グッズをお試しのことでしょう。

自分の口腔内状況に合わせたものを使用し、上手にプラークコントロールをして健康な歯を守っていきましょう。

《編集後記》

 

4月からの菅沼矯正歯科は、少しさみしくなります。スタッフが3月20日をもちまして3名が退職し、3月31日に1名退職します。当院のスタッフは、歯科医院の中では勤務年数の長い人が多い方だと思います。それだけ、居心地が良いのでしょうか?
そんな仲間が新しい生活へ向けてそれぞれ旅立つことになりました。
色々な思い出がたくさんありますが、それぞれの夢に向かって頑張ってほしいとスタッフ一同願っています。

スタッフが少なくなりますので、夕方4時30分以降や土・日曜日などの混雑するお時間帯は、今まで以上にご予約がお取りしにくくなってしまうこともあるかと思いますが、患者様にご迷惑がかからないようにしたいと思っております。

私たちスタッフだけでなく、皆様も出会いと別れの季節になります。それぞれが後悔のない別れを、そしてそれ以上のステキな出会いがあることを祈っております。

菅沼矯正歯科
〒440-0806豊橋市八町通3丁目12-3
TEL:0532-53-4819
FAX:0532-53-4818
http://www.suganuma-ortho.com
 
 

  菅沼カレンダー
休診日と研究日はで塗りつぶしてあります

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研究会

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中日本
矯正歯科
医会
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院長不在
Dr.河村
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3月

 

 

 

 

 

 

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院長不在
Dr.河村
のみ

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日本臨床
矯正歯科
医会例会

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Angle
学会
院長不在
Dr.河村
のみ

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学会
院長不在
Dr.小嶋
のみ

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学会

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Angle
学会
院長不在
Dr.小嶋
のみ

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4月

 

 

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口腔外科
処置

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PPAS

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投稿者: 制作管理者