成人矯正

患者さまのご要望を最大限叶える矯正治療

一般的に保護者の方が主体となる小児矯正と異なり、成人矯正では治療を受ける患者さまご本人が「こういう自分になりたい」という明確なイメージを持って受診されるため、患者さまのご要望をしっかりとお聞きし、医学的観点と照らし合わせながら最善の治療によって審美と機能を兼ね備えた美しい口元を実現することを目指します。患者さまの話にできる限り耳を傾けることはもちろんですが、患者さまが本当に訴えたいことを読み解くように心がけています。「抜歯はどうしてもしたくない」「手術をしてでも綺麗な歯並びになりたい」など、患者さまごとにニーズが異なります。顎の骨の問題などで、抜歯をしてスペースを作ったとしても希望通りの結果を出すことは難しいケースもありますが、そのような場合は診断を行う段階でお伝えします。なお、矯正治療単独では不正な歯並びや咬み合わせが改善できない方には外科的手術を併用する方法も選択できます。2週間前後の入院が必要になりますが、見た目と機能の改善が見込めます。手術に伴うリスクもありますので、納得いくまでご相談の上で治療法を選択することをおすすめしています。

抜歯・非抜歯についての当院の考え方

初めの検査結果を見た段階で明らかに抜歯が必要という方については抜歯を伴う矯正治療をご提案し、非抜歯でも治せる可能性がある方に対しては抜歯をした場合としなかった場合の違いをご説明して判断を委ねるようになります。気持ちの上で抜歯を避けたいという方も多いですが、ご希望に沿って非抜歯で治療したものの完了時に口元が出てしまい、やはり抜歯してでももっと綺麗な口元にしたかったと後悔される例も見受けられます。抜歯することのデメリットとしては、抜歯してそのまま放置していれば空いたスペースに歯が倒れ込んでくることが挙げられますが、抜歯によって顎の大きさに合わせた歯の数にした上で、空いた場所に歯を移動させてしっかりと矯正治療を行うのであれば大きなリスクは存在しません。日本人は欧米人と比較すると人種的に顎の幅や奥行きが小さいため、無理に非抜歯で治療すると咀嚼能率や歯の接触面積の面で機能性が落ちることも考えられます。しかし健康なまだ使える歯を抜くことに抵抗があり、なるべく歯を残したいと希望される方も多いので、非抜歯治療を希望される患者さまには事前にリスクをお伝えした上でできる限りご要望に沿うように治療を行っていいます。治療方針を決める際には、医師の判断だけを押し付けることは決してなく、それまでの治療の経過や背景も考慮し、患者さんのご意向も充分にお伺いした上で慎重に決定しています。

矯正治療でよく起こる失敗ケース

他の歯科医院で矯正治療を受けていた方が、思うように治療が進まないということでセカンドオピニオンを求めて当院に来られるケースが時折見られます。特に矯正専門ではない歯科医院で矯正をされていると、咬み合わせが全く合っていないということが実際に起こっています。一般の歯科医院で矯正治療を行う際には、歯科大学矯正科の若手医局員などの十分な臨床経験を持たない研修医がアルバイトで来る日に合わせて、月に数回矯正治療の日を設けている例が多くあります。そのような医院では「ブラケットが外れた」「ワイヤーが折れた」などの緊急時に担当医が不在なために適切が処置ができず、不十分な治療になることが考えられます。患者さまの大切な歯を長期にわたり治療・管理する歯列矯正は、より高い専門知識と多くの臨床経験が持つ矯正専門医に任せた方が安心と言えます。

歯科矯正用アンカースクリューとは

アンカースクリュー矯正治療とは、歯ぐきに埋め込んだ矯正用アンカースクリューを固定源にして装置を装着し、歯を正しい位置に動かしていく治療法です。1990年代の終わり頃に出てきた新しい治療で、当院では2002年から導入しています。アンカースクリュー治療が登場したことで、歯の圧下移動(歯牙を潜らせること)や遠心方向(後方)への移動もスムーズにできるようになりました。患者さまにヘッドギアなどの面倒な装置の使用をお願いしなくても良くなり、非常にメリットが大きい革新的な技術といえます。アンカースクリューの導入によってこれまで治療が難しかった症状が簡単に治せるようになり、治療期間のある程度の短縮も見込めます。他の歯科医院ではアンカースクリューを埋入する処置を外部の口腔外科で行う場合が多いですが、当院では矯正治療を担当する院長自らが歯を動かす方向に合わせて的確な場所に打ち込んでいます。埋入処理のためだけに他院を受診する煩わしさがないことも患者さまにとっては大きなメリットです。

矯正用装置の種類

矯正治療で使われるブラケットは、以前はほとんど金属製でしたが、近年は材料も進歩して白色系のセラミックなどを使った目立たないブラケットが人気を集めるようになってきました。当院でも最近ではセラミックを選ばれる方が増えています。昔ながらの金属製のブラケットは目立ちやすいことが難点ではありますが、セラミックよりも強度があり、対合歯(噛み合う相手の歯)に当たった時にもセラミックよりも対合歯の削れる割合が少なくなります。ブラケットの破損や脱落の確率もセラミックより低いので医師が扱い易く、また歯を動かすワイヤーは金属であるため、セラミックと金属よりは金属同士の方が歯が移動する時に起こる摩擦抵抗が抑えられます。ただし治療結果に大きな影響を与えるほどの違いはなく、誤差範囲と言えるので、患者さまのご希望に沿って選んでいただいています。基本の矯正料金は金属製のブラケットを選択した場合を想定して設定されており、セラミックを選ばれた場合には別途差額を頂いています。また、より目立たない装置を求める方のニーズに合わせて、ブラケットだけでなくワイヤーも白いものをご用意しています。ホワイトワイヤーは目立ちにくいという大きなメリットがありますが、金属ワイヤーに白いコーティング材を塗っているため剥がれてくる可能性があります。その旨をご説明して同意をいただいた上で、差額をお受けして使用しています。

リンガル(裏側・舌側)矯正について

リンガル矯正(裏側矯正・舌側矯正)は、歯の裏側1本1本にブラケットをつけ、そのブラケットにワイヤーを繋げてワイヤーを締めていくリンガルブラケットを使用する矯正方法です。表からは見えにくいため、周囲の人に矯正をしていることを気付かれたくない方に人気の高い治療法です。表側の矯正と比較すると舌の動きが制限されて喋りにくさや食べにくさを感じる場合がありますが、「歯並びを治したいけれど矯正装置が見えるのが嫌」という方にはおすすめできる選択肢と言えます。ただし外から見えにくいということは、治療を行う医師の側からすると口の中を覗き込んで見なければならず、口腔内での治療操作も表側の矯正より難しくなります。そのため治療時間がかかることも考えて、当院ではリンガル矯正で治療を行う時間帯を午前中(10:00~12:30)に限定し、記時間帯に通院していただける患者さまのみ対象とさせていただいています。また、極端に歯の口径が薄いなど、歯の状態によってはリンガル矯正の装置を着けられない方もいらっしゃいます。