Dr.Q's BLOG

2009.12.17更新

 「豊橋歯科衛生士専門学校で歯科矯正学の講義。中日本矯正歯科医会例会出席。そして豊橋市歯科医師会地域保健部部会に出席」

昨日、12月16日(水)は菅沼矯正歯科は休診させて頂きました。代わりに本日、12月17日(木)は診療をさせて頂きました。菅沼矯正歯科は休診の昨日でも、私は1日、朝から晩まで仕事でした。
午前中は豊橋歯科衛生士専門学校で歯科矯正学の講義をしてきました。私の担当する講義の内容は新歯科衛生士教本の「第5章 矯正治療の生物力学ー矯正力と歯の移動」と「第6章 矯正診断に関する知識」でした。矯正歯科学に関しての重要な部分の講義ですので歯科衛生士専門学校の学生さんに極力解りやすいようにかみ砕いて講義して来たつもりです。もちろん、矯正歯科学的な専門用語は教科書に多く出てきますので解説を加えながら、学生さんたちが考えながら学べる講義にしました。矯正歯科学と言う学問だけの難しい話だけではなく、歯科衛生士専門学校の学生さんが興味を持つような同世代の若い女の子が矯正歯科治療により悪い歯並びや不正咬合を治療することによって審美的にどのように改善されるかに関しても実際の矯正歯科治療を行った症例を見せながらお話しさせて頂きました。
今年の学生は人数が33名と例年より10名ほども少なく定員を大きく割り込んでいます。就職難の時代に歯科衛生士は不足し、歯科衛生士専門学校の学生は良い条件の就職先を選び放題ですので、歯科衛生士を目指す方が増えてくれると良いと思います。
みんな真剣に講義を聴いていました。少数精鋭で頑張っているようですね。

そして、豊橋歯科衛生士専門学校で歯科矯正学の講義を終えてから、愛知県名古屋市の名駅前の名鉄グランドホテルで開催された中日本矯正歯科医会 第131回例会に出席してきました。講義を終えて豊橋駅に向かい、それから新幹線で名古屋の会場に向かいましたので例会の開催時間には間にませんでした。私が到着した時には臨時総会は終了し、会員発表が行われていました。昨日の会員発表はお二人の方が発表をされました。私が到着し時には愛知県東海市でご開業の山口照明先生が「低年齢で治療を開始した下顎前突症例」と題した講演をされていました。山口先生は私が研修医の頃、骨格性反対咬合を第3大臼歯を抜歯してMewテクニックとClassIII顎間ゴムで治療する方法を論文発表されています。手術を行いたくないという骨格性反対咬合のボーダーラインケースには治療法の選択肢の一つだと思います。
山口先生は反対咬合の治療は早期治療の後、第2期治療はほぼ成長が止まる高校生になるくらいまで、待つとのことでした。どの時期で第2期治療を行うのが良いのかはケースバイケースだと思いますが、反対咬合の場合には下顎骨の成長の関係から悩ましい症例が誰でもあるのだと思いました。さすがに超ベテランの先生で示唆に富んだ興味深い発表でした。

また、名古屋市でご開業の根来武史会員が「軟食の咀嚼筋、顎骨への影響と下顎第二大臼歯の埋伏症例について」と題した発表をされました。
「軟らかい食べ物の影響によって顎の発育や形態に変化が起き、不正咬合の増加、顔貌の変化起こっていると言われています。その一方で日本人の歯は高カロリー食、高タンパク食の影響により大きくなっていると報告されていますこれらの影響なのか、最近、日常臨床において後方部スペース不足によって第二大臼歯の舌側への傾斜・転位や埋伏などの症例に遭遇する。」と問題提起され、軟食の咀嚼筋、顎骨への影響をラットによる動物実験で検証されていた。そして、下顎第二大臼歯の埋伏症例の治療を見せて頂いた。大変興味深い発表でした。

そして、特別講演を京都府宇治市で「いなみ矯正歯科」をご開業される居波徹先生が「過去を振り返って」と言うタイトルで行われました。居波先生は過去にレベルアンカレッジシステム ソサエティ コンサルタントや前日本舌側矯正歯科学会会長を務められた方です。最近、「見えない矯正」とか、「裏側矯正」「内側矯正」などとして注目を集めている舌側矯正歯科治療をいち早く臨床に取り入れられた先生です。以前にも、居波先生の舌側矯正歯科治療の講演を伺ったことがあります。その頃は、まだ、舌側矯正治療のブラケットにSTbブラケットがない頃でしたので、Kartzのリンガルブラケットを使用され、ループベンディングしたステンレススチールワイヤーを使用されて、とても良好な治療結果の症例を見せて頂きました。「舌側矯正でこんなにも上手く治療が出来るのか。」と感心しとことを記憶しています。私もそれ以来、舌側矯正歯科治療で多くの難症例に対応するようになりました。
今回は最近の居波先生の舌側矯正歯科治療のお話しも伺えると思いますので、とても楽しみにしていました。
居波先生は1981年春に京都府宇治市に「いなみ矯正・小児歯科クリニック」を開業されて28年が経過されるとのことです。
「咬合誘導研究会から成育歯科医療研究会へ」
「反対咬合の鑑別診断(KIX index)」
「レベルアンカレッジシステム」
「リンガルブラケット矯正法」
といった内容を講演されました。多岐にわたるお話しでしたが、とても興味深い話題ばかりで、お話しの構成や内容もとても面白くあっという間に講演時間が終わってしましました。特に相変わらず舌側矯正歯科治療でとても素晴らしいフィニッシュの症例を拝見させて頂きました。



例会の最後には懇親会が開催されました。田中進平会長の挨拶、特別講演をされた居波徹先生の挨拶の後、浅井副会長の乾杯で宴会がスタートしました。いろいろな情報交換をさせて頂き有意義な時間を過ごしました。しかしながら、私はこの後、豊橋に帰って豊橋市歯科医師会地域保健部会があったので、あまり飲めませんでした。残念です。
閉会の辞は臨時総会で次期会長に選出された山田晃弘先生からご挨拶がありお開きとなりました。

会場の名鉄グランドホテルを出ると、風が強く、とてっも寒かったです。強い風を顔に感じながら歩いていくと名古屋駅前にはキレイなイルミネーションが・・・。クリスマスがもう間近です。



私は名古屋駅から新幹線で豊橋に移動し、広小路の「龍」で開催された豊橋市歯科医師会地域保健部会に出席しました。会議後に、忘年会を兼ねた食事があり、アルコールも入って12時過ぎまで、いろいろな情報交換をしたり、議論したりと盛り上がりました。
もう、2009年の残すところ2週間ほどです。去りゆく今年を振り返り、来る2010年に期待と希望を抱きながら・・・。

トリプルヘッダーの忙しく充実した1日でした。


「綺麗な歯並びで健康的な生活を!」
 ”For your Beautiful Smile & Healthy Life" 
「菅沼矯正歯科」

投稿者: 有限会社イーオルソサービス

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