Dr.Q's BLOG

2009.12.04更新

 「最近の子はラーメンなどの麺がすすれない。歯並びや咬み合わせ、矯正歯科と関係あるの?」

昨日、12月3日(木)は菅沼矯正歯科は休診でしたが私は日本臨床矯正歯科医会広報委員会に出席するのために東京に出張してきました。朝からの会議のために前日の夜、豊橋から新幹線で東京に移動していました。宿泊先のホテルで毎朝見ているフジテレビ「めざましテレビ」(愛知県豊橋ではフジテレビ系列の東海テレビで放送)を見ていました。

それは、1週間ほど前のことです。午前の診療が終わり、お昼休みに入った頃に電話がなりました。スタッフから「フジテレビ「めざましテレビ」のココ調と言うコーナーの担当者という方から院長にお電話です。」
フジテレビめざましテレビ?」
まさか。私を指名して何の用だろうと電話にでると、
「私、フジテレビめざましテレビ内で「ココ調」と言うコーナーの制作を担当しております○○と申します。現在、調べていることがありまして、それに関してのコメントを頂きたいのですが、よろしいでしょうか?最近、若い人に『ラーメンをすすれない』と言う人が増えているそうなんですが、原因として思い当たることがありますか?」
「ラーメンをすすれない?これまでに多くの患者さんを拝見していますが、『ラーメンなどの麺をすすれない』と言う主訴で来院された患者さんは記憶にありませんね。歯並びや咬み合わせが悪い方で『麺をかみ切れない』と訴える患者さんはおいでになりますが。私をどうやってお知りになったのですか?」
「実は『ラーメンをすすれない』と言うことは、まず耳鼻科的な問題があるのではないかと思い耳鼻咽喉科の先生にお尋ねをしたのですが、『それは歯科や歯並びなどの矯正歯科的な問題ではなかいか? 』との指摘を頂きましたので、インターネットでホームページを調べていたところ、菅沼先生にたどり着きました。」

インターネット、ホームページの恐ろしいところを垣間見ました。私はこのブログでいろいろなことを書いていますから・・・。もちろん、ラーメンのこともつい先日、書いたばかりです。

そこで私は答えました。
「たぶんその要因はいくつかあると思います。
まず、あなたが耳鼻科の先生に伺ったように、私も呼吸の問題はあると思います。特に最近ではアレルギー性鼻炎の方が多く鼻での呼吸が出来ないために口呼吸になり、口の周りの筋肉(口腔周囲筋)と舌のバランスを崩している方が多くなってきていると思います。このような方は歯並びや咬み合わせも悪くなりますが、食生活で麺をすするということが上手くできないかもしれませんね。
また、食べ物を食べる行動は、生まれたときから身についている行動ではなく、お口の中の歯の萌出や成長と共に学習して身につける行動ですので、食生活、食習慣にも問題があるかもしれません。例えば欧米の方は麺類を音を立ててすすることはマナー違反とされていますので、すするという習慣がないためにラーメンやそばなどの麺類をすすれないと聞いたことがあります。現代の日本人、特に若い女性は食事のマナーや食習慣などにより、麺を粋にすするということを行わなくなり、ラーメンをすすったことがないのですすれないのかもしれません。親が麺をすすって食べなければその子供は、すすれないかもしれませんね。」

「今お答えになったことを、カメラの前でお話ししただけますか?」

「ちょっと待って下さい。私は愛知の豊橋ですが、東京からここまでおいでになるのですか?今お話ししたことは私の推察で、エビデンスがあることではありません。テレビでお話しすることはちょっと遠慮させて頂きたいのですが・・・。」
「そうですか。先生もだめですか。どの先生にも断られるので困っているのですが、どなたかご紹介頂けませんか?」

私は「呼吸の問題と口腔周囲筋の筋機能の関しての問題ならば、東京世田谷の高橋矯正歯科クリニックの高橋未哉子先生が我々の業界の中で、筋機能療法士の第1人者ですので、高橋未哉子先生に伺ってみてはどうでしょうか?」と紹介をしてしまいました。

昨日のフジテレビ「めざましテレビ」「ココ調」では、まず「いま、巷ではラーメン専用フォークが人気」だとのこと。「食べやすさ」や「汁飛び防止」のためだそうです。そして、実際にラーメンを箸で食べた場合と、ラーメンフォークで食べた場合の「汁飛び」に関して実験をしていました。ラーメンフォークの方が「汁飛び」は少ないようです。

そして、今度は「ラーメンをすすれない人が増えている。」ということでアンケート調査と街頭で一般の方に聞き取り調査。20代の女性に「ラーメンをすすれない」人が多かったとの結果に、そして、高橋矯正歯科クリニックの高橋未哉子先生が登場し、その原因をお話しされていました。「鼻呼吸と口呼吸が使い分けられない人は麺類をすすることが難しい」とのことでした。


その上で、麺をすすれない方に、トレーニングをして麺がすすれるように指導していました。さすが筋機能療法士の第1人者です。すするトレーニングをすればすすれるようになると言うことです。

「食育」が叫ばれていますが、日本の伝統的な食文化を守り、それを若い人たちに伝えていくのも大事な食育ですよね。江戸時代から落語で演じられるように「そば」は音を立ててすするのが、江戸っ子の粋な食べ方だったはずです。麺類を「ずずー」と音を立ててすするのは決して行儀悪いことでも、マナー違反でもありません。
私は歯科医師として、矯正歯科医として多くのお子さんと接します。お子さんたちの食育に関しても、歯科医として、そして矯正歯科医として役立つことが出来れば幸いですね。

「麺類をすすれない方のトレーニング方法」を参考に是非、練習をしてみて下さい。そして、ラーメン屋では豪快に麺をすすりましょう。

「綺麗な歯並びで健康的な生活を!」
 ”For your Beautiful Smile & Healthy Life" 
「菅沼矯正歯科」











投稿者: 有限会社イーオルソサービス

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