#218

第65回日本矯正歯科学会大会
札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)にて、日本矯正歯科医会主催の
第65回日本矯正歯科学会大会 第1回日韓ジョイントミーティングに参加して

スタッフ一同

平成18年9月13日(水)・14日(木)・15日(金)に札幌コンベンションセンターで開催された、第65回 日本矯正歯科学会大会 第1回日韓ジョイントミーティング『よく生きるを目指して 〜矯正歯科の新たな広がり〜』に14日と15日参加してきました。
今回は北海道で開催されるということで、すごく楽しみにしていました。13日は移動日で午後からの飛行機で北海道へ行き、夕方からはそれぞれ自由に過ごしていました。





シンポジウム『隣接医学との新たな広がり』より

「睡眠学の理解」

滋賀医科大学睡眠学講座  宮崎宗一郎先生

 1998年に厚生労働省が実施した疫学調査で、わが国では5人に1人が睡眠に関わる問題を抱えていることが明らかになっています。交代勤務や深夜勤務の増加によって、睡眠不足とそれによる事故の増加が指摘されています。
 ヒトの生体リズムは体内時計によって調節され、約25時間周期で活動と休息のリズム信号を出していますが、24時間周期で変化する外部環境とは約1時間のずれが生じます。このずれを調節する重要な役割を果たしているのが、「光」で、光信号が目から入ることでずれがリセットされ、昼間の明環境と夜の暗環境が正常な睡眠・覚醒リズムが作り出されます。
 寝た気がしない・起きても倦怠感が残っている・日中に眠くなるような場合はしっかりとした睡眠がとれていないとのことで、そういった場合は、規則正しい生活はもちろんのこと、朝起きた時に日光にあたることが大切だとお話しされていました。
 また、睡眠を助けてくれる食料として、納豆、ハムエッグなどをとることにより睡眠を助ける効果をはたしてくれるということでした。


スタッフ&ドクターセミナー 『患者とのより良い関係を築くために』

[講演1]

『メディカルサポートコーチング法のご紹介 〜患者とより良い関係を築くために〜』

東京メディカルケアセンター八重州クリニック院長
岐阜大学医学部非常勤講師
高知大学医学部非常勤講師
奥田弘美先生

患者さんとのコミュニケーション「なんとかしたい。でもその方法がわからない」なぜ苦手?
 ・教育課程でコミュニケーション学や接遇法を学ばない
 ・カウンセリングまで勉強する時間がない

*コミュニケーションは生き物である
  相手の状態
  自分の状態  → 大きく変化する
  環境の状態

「自主性」の大切さ
 ・他人の意見では本当の力強いやる気や行動は起きにくい
 ・自分で選んでないと不満や後悔が残りやすい
  よりよい関係を構築するには自主性を重視したコミュニケーション

「コミュニケーションの流れは第一印象からスタートする」
  より良いコミュニケーションはより良い第一印象から
     視覚情報(服装・表情など):55%
     聴覚情報(声のトーンなど):38%
     言葉の内容        :7%

*コーチングとは
 「人は無限の可能性を持っている」
 「人が必要とする答えは、その人の中に眠っている」という基本理念に従って、
 人の目標や希望を達成するために、その人の中に眠っている答えを引き出し、
 自発的行動を促していくコミュニケーション法


メディカルサポートコーチング法・コアスキル
 1.「聴くこと」
  人は自分のことを聴いてくれないと相手の言うことも受け入れられないという特性を持って
  います。「聴く」意味を理解し、実践することは、基本的な信頼関係と親密度を構築するため
  に非常に重要です。
 (1)スキル1 「ゼロポジション」
   相手に対する先入観を削除して会話に望む
   聴きながら自分の思考を極力抑える
    (自分の内的思考は無視して、相手の話を最後まで聴く)
   相手の話の途中で、話し出さない
                 ↓
       安心と信頼が生まれる → 「心の扉が開く」
 (2)スキル2 「ペーシング」
   「合わせる」という意味。→ 安心感・親密感を高める。
    視線を合わせる、視線の高さを合わせる。
    声の調子・高低・大きさ・テンポ・相手のムードなども。
 (3)スキル3 「頷きと相づち」
   会話中に出来るだけたくさん入れること→「あなたの話をもっと聞かせて」というメッセージ
 (4)スキル4 「オウム返し」
   「あなたの話を受けとめてます」というメッセージ

 2.「質問すること」
  コーチング的な質問手法を使って、相手の中からさらにアイデアややる気を引き出す
 (1)スキル1 オープン型質問を有効に使う
   「はい」「いいえ」で答えが完了しない質問の仕方をオープン質問という。
   「どう思うか?」「どう考えるか?」といった質問の仕方。
   相手が自分の言葉で話そうとするため、話題や情報が得られやすい。
   ⇔クローズ型質問
   「はい」「いいえ」で答えが完了する質問。答えやすいが会話が広がらない
 (2)スキル2 未来型、肯定型の質問を活用する
   焦点を未来に向けた、否定語句の含まない質問でやる気や行動力を引き出す
   ⇔過去型、否定型の質問
   過去に焦点が向かうと、アイデアややる気が起きにくい
   否定語句が含まれると、責められている気持ちが起こりやすい
 (3)スキル3 塊をほぐす
   漠然とした言葉の塊を、オープン型質問を多用してほぐしていく
   相手との言葉の壁(微妙なニュアンスやイメージ)を薄くすることができる

 3.「伝える」
  しっかり聴き、自分のために質問してくれた相手に対しては、話し手も「あなたの言うことなら、
  耳を傾けましょう」という気持ちになるもの。有効な伝え方のスキルを使って、
  さらに相手に受け入れやすい言い方ができればコミュニケーションは完璧
 (1)スキル1 「Iメッセージで承認する」
   「私」が主語となる言い方で、相手の行動や態度によって自分にどのような影響を与えたか、
   自分がどんな気持ちになったかを伝える。メッセージが評価や断定という側面を持たないため、
   相手の心にそのまま届いてくれる
   ⇔YOUメッセージ
   「あなたは〜ですね」という言い方だと、断定や評価をされていると感じられてしまう危険性あり。
   100%の真意が伝わりにくい
 (2)スキル2 「許可を取る枕詞を使う」
   相手に許可を求める枕詞を使うと、その後のメッセージのとおりが非常に良くなる。
   クッションになり、ショックも和らげる

<修得法>
 無意識レベル
  ↓   何気なくやっていたことを意識化する
 意識化レベル
  ↓   日々の繰り返しや練習により意識せずに出来るようになる
 無意識レベル

まずは相手に温かい関心を持つ。アイコンタクトと笑顔を忘れず、コミュニケーションは自分から始める。


[講演2]

1.リスク評価システムを用いたう蝕予防管理について
北海道医療大学歯科内科クリニック歯科衛生部  柴 浩実先生
2.当院における矯正患者の口腔衛生管理プログラム
銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック  坂本紗有見先生
3.簡便な矯正患者説明用文書作成支援システムの考案
岩手医科大学歯学部歯科矯正学講座  清野幸男先生
4.コーチングを応用した信頼関係を築くアプローチの方法
池見札幌歯科衛生士専門学校  斎藤美帆先生
5.矯正歯科医療における医療面接技術の導入について
いけもり矯正歯科  諸戸香苗さん
6.患者さんとのより良い関係を築くために
イノウエ矯正歯科  井上裕子先生

 他の医院から学んだことは、患者さんに対してのプログラムが作られていることです。予防に対してはプログラムが必要だが、ある程度応用も利かすことが出来なければならないと思います。検討中ですが、プログラムを作っても常に勉強し、改善をしていくことが必要だと思っています。




 スタッフ&ドクターセミナーの奥田先生の講演では、資料として配られた書類の中のコミュニケーション例を見ると、指示・命令型のコミュニケーションとコーチングを意識したコミュニケーションとの違いが良くわかりました。また、臨床に関わっている内容のDVDを見させていただき、大変わかりやすく感じました。できれば購入して、今後の診療に役立てることが出来たらいいなと思いました。
 この講演を聴いて自分が患者さんにどのように接しているか、意識して見直すことが出来ると良いのではないかと感じました。最初は患者さんもなかなか心を開いてくれないこともあります。まずは相手に暖かい関心を持ち、アイコンタクトと笑顔を忘れずに、コミュニケーションは自分から始めるようにコーチング法を利用して努力をしていきたいと思います。
 矯正歯科治療に来院される患者さんは長い年月通っていただきます。少しでもよりよい信頼関係を築き、楽しく来院していただけるよう私達スタッフも努力をしていかなくてはいけないなと思いました。