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菅沼矯正歯科院長の菅沼です。2006年6月15日(木)と16日(金)に三田NMホール(東京都港区芝)にて開催されたスリーエムユニテック主催、 Dr.Hugo Trevisi (Brazil)講師の『MBTシステムによる矯正治療のバイオメカニクス ー新しいテクノロジー:スマートクリップがもたらす利点ー』と言う講演会を 受講してきましたので、その模様をレポートします。
Dr.Hugo Trevisi (Brazil)はMBTシステムの言わずとしれたTです。MはDr.McLaughlin (U.S.A.)、BはDr.Bennett (England)です。彼らの考えが反映された矯正歯科治療システムがMBTシステムです。私もこのMBTシステムを採用して以来、矯正歯科治療のク オリティーがさらにアップしました。
今回はそのMBTシステムの中に今各メーカーが凌ぎを削って開発販売に取り組んでいるセルライゲーティングブラケットの1種であるスマートクリップブラ ケットを臨床応用する利点を中心に講演がされました。
ここで、セルフライゲーティングブラケットに関して説明をしておきます。セルフライゲーティングブラケットは通常のブラケットがスロットに挿入したワイヤーを結紮線やモジュールで固定する方法と異なり、ブラケット自体に挿入されたワイヤーを固定する工夫が施されており、結紮線やモジュールで固定する場 合と比較してチェアータイムの短縮や、歯の移動時のワイヤーとブラケットの摩擦の軽減などによってスムーズな歯牙移動が可能となり治療期間のに関しても 短縮につながると言われています。しかしながら、トルクコントロールの問題などが指摘されています。早くから、セルフライゲーティングブラケットとして 注目を集めたのはスピードアプライアンスですが、トルクコントロールの問題などがあり、今ひとつ普及してきませんでした。古くはA-Conpanyから Activaと言うブラケットが販売され、私はそれを使ったこともあります。今から15年以上前だったでしょうか。
その後、最近になってOrmco社のデーモンシステムが話題になっているますが、Tomy Internationalから販売されているミニクリッピー、Biodent (American Orthodontic)からタイムブラケット(Time bracket)、そして、3M Unitek社からスマートクリップ(Smart Clip)などセルフライゲーティングブラケットが販売をされています。どのブラケットシステムともに少しづつコンセプトが異なります。また、セルフラ イゲーティングブラケットではありませんがローフリクションを目的としてワイヤーやモジュールでの結紮を行わない方法として私の出身の東京歯科大学歯科 矯正学の医局の先輩でもある田村先生が開発しデンツプライから販売されてるクリアスナップなどもあります。
今回は、3Mユニテックから出されているセルフライゲーティングブラケットのスマートクリップ(Smart Clip)のMBTシステムへの応用に関してDr.Hugo Trevisi (Brazil)に伺うことができました。ただ、MBTシステムをご理解いただいていない受講者の方にも理解していただけるような構成として、プレア ジャステッド アプライアンスの歴史的な展望や、機能咬合、ブラケットポジショニングなどのお話をされていましたので、私としてはすでにMBTシステム を理解し、多くの症例を治療しているものにとっては、もっとスマートクリップの臨床応用に関する注意点の情報を多く提供してほしかったです。
また、今回は通訳の方がブラジルからDr.Trevisiが同行された日系ブラジル人の方だったのですが歯科用語や矯正歯科用語をあまりご存じではないらしく、非常にわかりにくい講演となってしまっていました。折しも、ワールドカップのグループリーグの開催中で、日本対ブラジルの一戦を間近に控えてい ました。Dr.Trevisiは若い頃にはプロサッカー選手だったとのことで、講演のプレゼンテーション中にセレソン(ブラジル代表)の写真が出てきたり、アドリアーのやロナウジーニョの写真が潜ませてあったりしました。
さて、私は前述のデーモンシステムブラケット(Ormco)、ミニクリッピー(Tomy International)、タイムブラケット (American Orthodontic)そして、スマートクリップ(3MUnitek)と現在、日本で使用可能なSpeedブラケット以外のセルフライゲーティングブラケットを使用した経験があります。また、デンツプライから販売されているクリアスナップに関しても使用経験があります。
どのブラケットも一長一短があり、どれが最適なものなのかはもう少し検討をしていく必要があると思いますが、今回の講演から得た情報を患者さんの治療に還元できるように努力していきます。しかしながら確実にブラケットのトレンドはセルフライゲーティングブラケットに移ってきていると思います。問題点は日本では患者さんの多くがセラミックブラケットなどの審美ブラケットを選択することです。メタルブラケットが主流のアメリカとはこの辺が大きな違いです。審美的に優れたセルフライゲーティングブラケットの開発が待たれます。
Dr.Hugo Trevisiを囲んで、一緒に参加した田中千元先生(千葉県市川市 田中矯正歯科院長)、河村先生(菅沼矯正歯科勤務)
講演中のDr.Hugo Trevisi
講演に参加したMBT研究会役員でDr.Hugo Trevisiを囲んでの記念写真