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平成17年10月12日・13日・14日の3日間、パシフィコ横浜で行われた、第64回日本矯正歯科学会大会に13日と14日の2日間、参加してきました。今回は「変貌への適応〜求められる矯正歯科へのさらなる展開〜」をメインテーマとして開催されました。
インフォームド・コンセント = 現代医療におけるキーワードの一つ 旧来の医療を表すパターナリズムに代わる医療者と患者の関係を示す概念でもあり、本来患者を守る考え方。患者の自己決定を尊重することがその本質と考えられるが、現状ではともするとトラブル防止のための手続きと誤解され、かえって患者との関係が冷え切ってしまうような面がある。 医療者には患者が適切な選択が出来るように適切な情報提供を行い、その上で自己決定のプロセス 支援をしてゆく役割がある。 (情報に関心をもってもらう工夫) ・自己決定の重要性を知らせる ・積極的な情報収集 ・決断を促す ・現実を見つめる (医師と患者) "対等とはどういう意味か"情報の非対称性。医師と患者の判断能力は同じではない 患者用図書室 ← 自分で情報を探す手段の一つだが、誤った判断をしやすい 適切なガイドがあれば真剣に考えるはず!!専門的な判断を患者に委ねることではない (インフォームド・コンセントの目指すもの) 個々の患者にとってのベストが選択できるように情報提供と自己決定の支援
住民参加による地域保健が示され、健康増進法では都道府県及び市町村は、健康増進計画の策定、 実施及び評価の全ての過程において、住民が関与するよう留意されている。 "診療ガイドライン"・・・インターネットを通じて「この病気には、このような治療法が一般的」 などの情報提供を行う。 医療とは、患者と医療提供者の信頼関係を基本として成り立つもの。歯科医療でも診療ガイドラ インの作成が必要である。
患者がインフォームド・コンセントをして、主体的に治療に取り組むためには、医療者との コミュニケーションと治療技術の両面での信頼が不可欠であるが、患者さんから直接感想や質問を 得る機会が少ないため何が問題なのかがわかりにくい。 医療の素人(模擬患者)が患者さんの立場に立って感じたことを伝え、よりよい医療づくりをする 必要がある。SP(模擬患者)とは症状を持った患者であると同時に人生を歩む一人の人間として 演じることにより、一般論ではなく具体的に今ここでその患者さんとして感じたことを伝える。 そのことが「医療者が日常のコミュニケーションを振り返るきっかけ作り」となる。 患者さんは病院でどう感じているか ・挨拶してもらえない ・話を聞いてもらえない ・話を理解してもらえない ・説明してもらえない ・説明がわからない ・質問ができない ・・・・伝わらない 日本の国民の7割が医療に不安がある *60.1%がコミュニケーション不足 医療についての素朴な疑問 ・私のプライバシーはどうなるの? ・私の生活は私が考えるものだと思うが・・・ ・これからどうなるの? ・自分のことなのに知ることができないの? ・それなら早く言ってもらいたかった・・・ ↓ 一緒に考えを進めてもらいたい 医療を進めていくうえで、患者との話し合いの中で共に考え支援者とならなければならない。
88%の医師が同意を得て治療をしていると思っているが、75%の患者が医師任せで治療をしてい ると思っている。インフォームド・コンセントに対して未だ医師と患者の意識の差が大きい。 *最小限の書式内容は必要 ・アメリカの契約型と日本の人間関係重視型のIC(インフォームド・コンセント)を。 重要なのは、書式ではなく人間性。医師が勧めた治療法に不安があればセカンドオピニオンをする。 「オーラルケアによる複雑部位へのPMTC」 ☆ポリッシングとPMTCとの違い 「ポリッシング」とは・・・粗い研磨剤を用いて着色などを落とすこと 「PMTC」とは・・・ホームケアでコントロールしにくいキーリスク部位を重点的に 専用の機材を用いてクリーニングをすること ☆PMTCで得られる効果 1.う蝕予防・・・歯面のバイオフィルムの破壊、再付着防止 2.歯周病予防・・・歯肉縁下2〜3mmのバイオフィルムの破壊、除去 3.歯肉強化・・・バイオフィルムを除去した歯面にフッ化物を塗布することにより、 再石灰化を促進させる オーラルケアのミニセミナーでは、PMTCの手順や歯ブラシの処方の方法、またアメニティ・デンティストリー(*1)についての講習を受けてきました。矯正治療中、とても大切であるブラッシング(セルフケア)に、タフトブラシや電動歯ブラシを使った歯磨き指導も患者さんの口腔内や環境に合わせて、もっと積極的に取り組んでいきたいと思いました。また、患者さんに心地よくなって頂けるようなクリーニングを心がけていきたいと思いました。 (*1)「アメニティ・デンティストリー」とは歯科衛生士がメインテナンスとメインテナンスの間や毎月の来院時、予防知識のある患者さんに専用のトリートメント剤で歯と同じ成分を補給して、汚れのつきにくいなめらかな歯面にすること。 ◇ 感想今回の大会では、講演会場と展示会場が少々離れており、移動に少し時間がかかったように感じました。この日本矯正歯科学会大会は毎年規模の大きな大会というイメージがありましたが、今回は例年に比べ少々規模が小さく感じ、参加される先生方の人数もいつもより少ないように感じました。講演や展示はいつにも増して矯正歯科医向けの難しいお話が多かった気がします。 シンポジウムでは、4人の講演者方がインフォームド・コンセントを別々の視点からお話しいただき、今後の新しい医師と患者の関係、患者本位の医療について考えさせられた気がします。形式的でなく、信頼関係を作る手段として、治療リスクも含めてわかりやすく説明すること、患者とのコミュニケーションを大切にし、話しやすい雰囲気を作ること、そして治療をさせるのではなく、患者さんが理解したうえで自分で決めて治療を開始できるかたちが理想であり大切なのだとよく解りました。東京SP研究会の佐伯さんが講演でお話しされた、「患者さんは医療者の口調、表情、視線、動作を見て、言葉の裏の本当の気持ちを読み取っている」という内容は、以前日本臨床矯正歯科医会大会でも講演があった、重要な非言語コミュニケーションです。インフォームド・コンセントにおいても重要になるとのことなので、患者さんとの対応には十分注意をしていきたいと思いました。そして患者さんが話しやすい雰囲気を作れるように努めていきたいと思います。 |
