#169
『インビザライン・シンポジューム2005 ー日本における展望ー』に参加して

4月17日 日曜日に六本木アカデミーヒルズ49タワーホールにて開催された『インビザライン・シンポジューム2005 ー日本における展望ー』に参加してきました。その模様をレポートさせて頂きます。


 私はこの日が2度目の六本木ヒルズ訪問でした。1度目は今年の2月に豊橋市歯科医師会の公衆衛生部会の研修で訪問しました。その時は時間が全くなく、見物どころではありませんでしたが・・・・。到着してアカデミーヒルズ49タワーホールに上がるエレベーターを探すのに、迷子になってしましました。田舎者には解りにくい構造です。さて、参加者は200人を超える方が来ており、関心の高さが伺えました。当日のプログラムを下記に示します。

 インビザラインはアメリカで開発されシリコンバレーのコンピューターテクノロジーによりアライン・テクノロジー社が提供しております。コースを受けたドクターに対してコンピュータソフトを提供し、患者さんにアライナーという装置を順番に装着して不正咬合を治療しようという概念です。
コンピューターによるCAD/CAMやScanning 、3D画像の発達により可能になった新技術で、アメリカでは大々的なテレビCMによる広告の元、矯正歯科治療患者が増加しているともうかがっています。また、アメリカ矯正歯科医学会(A.A.O.)では約7〜8年前からブースを設けて展示をされていますので知っていましたが、症例を拝見すると治療のクオリティーに関してはEdgewise装置のような歯のコントロールは難しく現状で矯正歯科治療の主流になるとは思えませんでした。

 しかし、今春ロサンゼルス郊外の矯正歯科専門開業医のDr.SugiyamaのOfficeを訪問した際に彼のinvisalignを使用して治療した症例を拝見しました。これまで、A.A.O.で症例展示をしてあった症例と違い、高いクオリティーを保っていたのでこれなら採用は可能だと思いました。Dr.Sugiyamaは「使用方法をどのようにするか?」「invisalignのみの治療ではなくEdgewise装置とのコンビネーションが絶対に必要だ」「きちんとトレーニングを受けた矯正歯科専門医(Orthodontists)が、きちんとした診断の元に使用する必要があり、GP Dr.が行うべきではない」とお話しされていました。実際にアメリカでは訴訟問題を抱えており、それにはアライナーを矯正歯科治療のGP Dr.に提供したことに問題があるのではないかとDr.Sugiyamaはお話しされていました。

 今回、講演をされた昭和大学歯学部歯科矯正学講座教授の槇宏太郎先生をはじめDr.Robert Norris、Dr.Robert Boydとも歯の動きでは予知性がある移動と、予知性が少ない移動があり、ローテーションのコントロールや臼歯支部の近心移動は難しく、圧下やTippingはかなり容易であるとのことでした。また3人の先生共にきちんとした矯正学的診断とスタンダードな矯正歯科治療のトレーニングをきちんと受けた矯正歯科医が行うべきであること、インビザライン単独で治療の全てが終了する患者は少なく、ブレースを装着する必要が出てくる症例がほとんどであるため、患者さんには説明をきちんと来ない同意を得ておく必要があると言われていました。

 最後に、アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社代表取締役の加藤真也氏から閉会の挨拶にあわせて日本での販売展開に関して説明がありました。アメリカで1症例のインビザライン製作には約$2000になっているとのことです。以前にアメリカではブレースを装着する治療費よりインビザラインを使用した治療の方が治療費が高いと伺っていますこれは、当然コスタが高くなるので、うなずける話です。日本では25万円程度で1症例を供給したいとのことでした。また、アメリカとは違う日本にあったやり方で行いたいとのことでした。私は彼のこの言葉をインビザラインは日本では矯正歯科医に供給すると受け止めたのですが・・・・。矯正歯科治療に関するツールが増え、それが患者さんの治療の選択肢を増やし、患者さんのためになることは歓迎するべきです。このインビザラインに関しても他の装置に関しても同様ですが企業に踊らされずきちんとした対処を我々、矯正歯科専門開業医はするべきだと思いました。