#146
第22回BSC大会に参加して

 平成16年9月15、16日に東京都のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催された、第22回BSC大会に参加しました。今回、私たちは初めてBSC大会に参加させていただきましたが、『矯正歯科医療の将来とオフィスマネージメント』という大会タイトルで、多くの先生方の発表を聞きました。 
院長の隣の女性は、以前当医院で非常勤務医として勤めていた、三宅晶子先生です。現在は神奈川県の福増矯正歯科に勤務されています。


第1日目 9月15日

《一般講演1》
『矯正歯科医院のオフィスマネージメントにおける女性スタッフ育成』については、スタッフ育成の前条件として教育マニュアルの作成や、技能、態度、価値観教育のなどのお話を聞きました。『矯正治療の評価システムの提案』については、歯科診療所が国民に高品位の医療サービスを効率的に提供するためには、診療所の機能を客観的に評価して改善し続ける必要があるとおっしゃっていました。また安心して利用できる病院として、[1]患者に優しいか[2]安全重視をしているか[3]医療の質を重視しているか[4]経営が安定しているかを評価の対象としてあげられていました。

《特別講演1》
ニーズを聞いてどうするの?『間違いだらけの医療サービス論』では、医療における商品、つまり利用者が求めるものは、あくまでも、妥協のない医療の専門であり、出たとこ勝負や、さじ加減の立ち入りを許さない、心情でコントロールできない専門性、素人に太刀打ちできない高度なスキルにこそ、期待と信頼が寄せられるという事などの、お話を聞くことができました。

《教育講演1》
『認定医制度の現状について』では、日本矯正歯科学会認定医制度とは、昭和64年に患者さんのために作られたものでしたが、研修機関のレベルの差が大き過ぎる事、研修機関代表認定医の意識の差が大きい事、また、共通試験の違いなどの批判があり、平成14年度より、新規申請に対して、一次審査に書類審査、二次審査に口頭試問、三次審査に症例展示、症例をデータベース化し重複症例を防ぐ事となったそうです。また、平成16年度からは、口頭試問にも十分な時間を取るそうです。

《特別講演2》
『医事紛争の最新動向 歯科矯正治療におけるインフォームドコンセントとリスクマネージメント』については、とても興味深い内容でした。医師、患者間において、インフォームドコンセント(説明と同意)が、いかに需要なものなのかを学びました。また、リスクマネージメントにおいては何がリスクかという事を調べておく必要があるということをお話されていました。

《ラウンドテーブルディスカッション》
「スタッフ向けプログラム」

1、患者さんとのコミュニケーションで配慮しているコツ
患者さんと向き合う前のコミュニケーション(土台作り)は、清掃、お花の手入れ、BGM、スタッフ間のコミュニケーションなどが重要ですが、患者さんと向き合ってからのコミュニケーションとしては、まず第一に挨拶があげられます。さらにそこから患者さんの心を開くための質問の仕方などを、いけもり矯正歯科の歯科衛生士黒宮さんにお話していただきました。またいけもり矯正歯科のスタッフさんによるロールプレイ(ある役割を模擬的に演じる事)とフィードバック(結果を参考に修正する)の実演、そしてその後トレーニングを行っていきました。臨床で起こりうるようなシナリオをもとに衛生士役と、患者役になりきることにより、コミュニケ−ションのスキルアップを図るというものでした。(高柳)

演者に質問中のDH岩瀬
2、心を形にしましょう。
吉田矯正歯科に勤務されている歯科衛生士の古賀雅子さによる『心を形にしましょう』に参加させていただきました。二人でペアを作り、聞き手と話し手の役割をいたり、得た情報を他者に伝えたりということを行いました。ちょっとした態度で、相手に様々な影響を与えることを学びました。忙しい時ほどいいかげんになりがちな言葉のキャッチボール。そういう時ほど一呼吸して、患者さんと向き合っていきたいと思いました。(岩瀬)




第2日目 9月16日

《一般講演2》
『院内LANを用いた、DICOM規格による画像管理と患者管理システム』について
鈴木 善雄先生が、『市販SOFTを利用したスキャンによる骨格断層の立体構築について』、河原 優一郎先生がそれぞれお話されました。
矯正歯科診療所においても、写真画像やX線画像のデジタル化を行い、院内LANで活用する診療所が増えているそうです。しかし、画像処理においての問題や、注意する点などがあり、今回その点についてのお話を聞きました。

《教育講演2》
医療最前線トピックス、カリエス予防最前線
「矯正歯科治療とバイオフィルムの除去」
国立保険医療科学院口腔保健部部長の、花田信弘先生による、矯正歯科治療とバイオフィルムの除去についての講演を聴きました。カリエスバランスとは、病原因子(歯周病原菌、くいしばり、口臭、ストレス、咬合)と予防因子(良い生活習慣、ビタミン、唾液、口腔清掃)のバランスのことで、脱灰と、再石灰化のバランスを保っていれば齲蝕は、生じませんが、そのバランスが脱灰側に傾いた時に、齲蝕が発生するそうです。したがって、カリエスバランスの知識があれば、齲蝕を予防する事もできるということでした。カリエスバランスを大きく予防の方向に傾けていくためには、
知識、個人のセルフケア、そして、専門家によるPMTC、さらには3DS(抗菌剤の使用)によってミュータンス菌を減らしていくというお話をしていただきました。

《パネルディスカッション》
4人の先生方が『矯正歯科診療にIT推進とオフィスマネージメント』について、それぞれ講演されました。
1、院内LANの活用とサーバ管理  福増一浩先生
2、患者データベースの構築と受付およびアポイント管理  有間 英先生
3、デジタルカメラによる画像管理とレターシステム  国保英一先生
4、電子カルテへの変更とその実際  田村 元先生


[感想]

今回講習の内容に大変興味を抱いたものがあり、参加させていただきました。いろんな角度・視点から矯正治療につて講習をうけることができ、とても勉強になりました。今回学んだことが、全て臨床の場においていかせるとは限りませんが、できることは積極的にとりいれていきたいと思います。(岩瀬) 

今回、初めてBCS大会に参加させていただきましたが、多くの先生方の発表を聴くことができ、また、スタッフ向けプログラムでは、ロールプレイとフィードバックを行うことにより、患者さんの立場に立って自分達を見つめ直すことの大切さを、改めて感じました。人数が多かったため、ディスカッションという形ではありませんでしたが、今後、臨床の場で少しでも生かしていければと思います。(高柳)