#136
中日本矯正歯科医会第109例会特別講演

スタッフ一同

平成16年6月16日(水)に名古屋のマナハウスで行われた、第109例会 特別講演「アメリカにおける歯科医療制度と専門医制度」ロマリンダ大学臨床助教授でロサンジェルス開業のDr.Kouichi Cliff Itohを拝聴してきました。講演では、まずロマリンダ大学の紹介があり、その後、アメリカにおける歯科医療の傾向と日本との根本的な違いなどをお話しされていました。

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【保険制度】
日本の保険制度 米国の保険制度
1.国民保険 1.デルタ…公務員、教職 → 保険の基本値
2.社会保険 2.個人保険 a.HMO b.PPO
3.その他  3.メディケア(デンティケア)…低所得者、65歳以上が入れる
 大学病院などでしか使えない
4.インプラントを取り扱う保険
メディケア以外は民間保険。個人的には持ってない方が多い。(会社で入っている)
皆が入っている訳ではない。

【予防歯科VS治療歯科】
 予防歯科(米国)
 ・予防歯科に対する保険会社の支払い100%
 ・6ヶ月毎の検診とクリーニング
 ・高額な治療代…1本根治をするとメタルボンドで1500〜2000ドル
 アメリカで過去1年以内に、歯科医院にて歯のクリーニングを行った患者の割合の内、79.9%が最高で、最低でも50%以上であった。アメリカは予防に力を入れているのに対し、日本はまだまだ治療中心の医療を行っているといえる

【歯科医師免許】
 1.歯学部は4年で一般の4年制の大学を出た後に入学患者の治療経験2000時間以上
 2.更新制:2年ごとに50時間以上の卒後研修単位
 3.大学院(専門医コース)通常2〜3年
 4.口腔外科は4年コースで6年のMDコース有り→医師の免許を与えられる

【専門医制度(スペシャリスト)】
 1.矯正 → 日本も米国もとても確立された分野
 2.歯周病 a.2年プログラム
      b.3年プログラムへの移行(インプラント教育)
 3.歯内療法 → 根管治療…高額収入(1本で1000ドル前後)
 4.補綴
 5.小児歯科 → 矯正治療と一緒に行っている人もいる
 6.麻酔科 → 2年プログラム、人数が少ない
 7.口腔外科
 8.顎間節
 9.インプラント
  a.大学ベースのプログラム(全米で5〜6校)
  b.病院ベースのプログラム(全米で8病院)
  c.ミリタリープログラム → 軍医
  d.専門医制としての問題点
   ア.AAID
   イ.ABDI
   ウ.ADA
[口腔インプラントロジー講座カリキュラム]
  3年のポストグラジュエートプログラム       マイクロサージャリー
  全身麻酔科ローテーション 6(3)ヶ月間      手術補佐(20)症例
  耳鼻咽喉科及び整形外科 3ヶ月間          臨床
  口腔外科 6ヶ月                  リサーチ
  ペリオ外科 6ヶ月                 学会発表
  補綴科

【訴訟】
 アメリカの中でもカリフォルニア州・フロリダ州・N,Yなどは、特に訴訟が多く、インプラントなどの高額な治療の時など、同意書の必要、またはインフォームドコンセントが重要である。
Informed(情報に基づく)、consent(同意、承諾)


pict3 今回の講演を聴いて、アメリカと日本では歯科医師になるための教育課程が随分違うなと思いました。詳しい内容の違いまでは(カリキュラムなど)分かりませんが、ほとんどの人が卒業後、すぐに開業するとかには驚きました。日本では卒業後、数年間はいろんな歯医者で経験を積んでから開業するというのが普通だと思っていたからです。これは、学生時代の臨床経験数が日本とは違うからなのでしょうか?アメリカと日本の歯科医師のあり方に違いがあるよう、歯科衛生士における業務内容の違いにも驚きました。歯科衛生士が局所麻酔を行うこと、レントゲン撮影を行うことなどは、日本では禁止されています。それは、アメリカにおける歯科衛生士の地位や、アメリカの衛生士学校が、3年制または4年制を設けていることから、日本と比べると範囲が広くなるのも当然かも知れません。アメリカと日本では矯正に対しての積極性に違いがあると思いますが、その他の歯科分野でも違いがあり、これは保険制度の違いにも関係があるからなんだということも分かって面白かったです。日本と比較することで、アメリカの患者がもつ歯科に対しての意識レベルがいかに高いかを知ると共に、その背景というものも見えました。臨床の場ですぐに活かせることではありませんが、少しでも患者の歯科に対する意識レベルが向上していくよう、対策を考えたいと思いました。(スタッフ一同)