院長 菅沼興明
● No.26平成16年春号に院長が執筆した記事が掲載されました。
歯医者さんからのメッセージ
歯ならびの矯正歯科治療について Part 2
「矯正治療って、いつから受けるのがよいの?」
前回は矯正歯科治療とQOL(Quality of Life:生活の質)の向上についてお話しさせて頂きました。今回は矯正歯科治療を開始する時期につきましてお話しさせて頂きます。
矯正歯科治療はいつから始めればよいのでしょうか?実は、矯正歯科専門医の間でも多少意見が分かれるところですが、アメリカ矯正歯科医学会(AAO:American Association of Orthodontists)と日本矯正歯科医学会では、7歳までに矯正歯科医院で一度専門医に相談することを推奨しています。それは7歳頃は第1大臼歯の萌出が終了し、前歯が乳歯から永久歯に交換し始める時期で、不正咬合が発症し始めたことが患者さん自身やご父兄の方も発見しやすく、また、上顎と下顎の成長発達時期にあるからです。顎の成長は上顎と下顎で成長様式が違います。上顎は頭蓋骨にくっついていますので、脳神経系の成長発達の影響を受けています。脳神経の成長発達は非常に早く、ほぼ10歳ぐらいまでに大人とほぼ同じくらいまで成長をしてきます。それに対して、下顎は手足の骨と同じような成長様式ですので、上顎が成長がほぼ終了した思春期に成長のピークを迎えます。一般的に思春期成長と呼ばれる時期で、男女では年齢的に少し差があります。女の子では大体小学校の高学年から中学生の時期で、男の子の場合には中学生から高校生の時期です。
この時期に受診するメリットは顎の成長期にあるので、顎の成長を抑制したり、促進したりして上下顎の不調和(ズレ)を改善出来る可能性があることです。また顎の成長に影響を及ぼす不良習癖を改善して行くにも良い時期です。またこの時期には顎の大きさと歯の大きさに不調和があり、将来歯並びがデコボコ(叢生)になりそうな場合にも顎の成長を促進し歯列を拡大することによって、永久歯を抜歯しなくても矯正歯科治療を行える可能性が高まります。この時期に使用する装置は、皆さんがよく見かける歯に直接接着する固定式の装置(エッジワイズ装置:ブレースとも呼ばれます)は少なく、ほとんどの場合は着脱可能な装置や歯列の内側からの装置が多く使われます。ただ、治療時を早めたからといって矯正歯科治療が早く終了するわけではありません。永久歯が生え揃う時期は、個人差がありますが大体11歳から14歳ぐらいですので、個々の歯をきちんと並べていく固定式装置(エッジワイズ装置)を装着するのは永久歯が生え揃ってからになる場合がほとんどです。 |
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※左記の文が内容になります。
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この矯正歯科治療にベストの時期を逃してしまったからといってその後は矯正歯科治療が不可能になるかというと、決してそういうわけではありません。
現在では成人された方でも治療は可能ですし、極端な話をすれば、健康な歯と歯肉があれば年齢はいくつになっても矯正歯科治療を行うことは出来ます。実際に私の医院に初診で受診される約30%ぐらいの方は大人の方ですし、都会の診療室では成人の患者さんが50%以上を占めるところもあるようです。健康に対する意識の向上や矯正歯科材料の発達が成人の方の矯正歯科治療を後押ししているのでしょう。
もちろん、咬み合わせの状態によっては7歳になる前から治療を開始する場合もあります。
歯並びや咬み合わせは、気になった時点でかかりつけの歯科医院や矯正歯科医院でご遠慮なくご相談されることをお勧めします。
豊橋市歯科医師会 歯科医 菅沼興明
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