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院長 菅沼與明
2004年1月31日・2月1日に仙台で開催された’04仙台口腔成育シンポジウムに参加しました。このシンポジウムを開催した口腔成育研究会は仙台を中心とした矯正歯科医、予防歯科医などを中心に設立され、ClassIII研究会が前身です。昨年2003年に「矯正歯科治療は患者利益をもたらすのか」というテーマで、第1回のシンポジウムが開催されました。
今回は2日間に渡って下記のような内容で講演とディスカッションが行われました。歯科医師、矯正歯科医のみならず、臨床心理士や弁護士、育児の専門家が講演者として招かれ、現在の子供が抱える核家族化による育児の問題、幼児虐待や夫婦離婚などの問題、また子供の精神発達の問題や学校教育のどの子供たちが抱える環境問題などが議論されました。
私たち歯科医師や矯正歯科医は長期に渡って子供たちの心身の成長・発育、発達に関与する仕事です。それぞれの子供たちが抱えるいろいろな問題を踏まえ、またそのような問題が少しでも解決できる手助けが出来れば良いかと思いました。このような分野のことを考えることは非常に重要だと感じた2日間であり、大変勉強になりました。
【講演】
「Oral health promotionにおける矯正歯科の役割」
伊藤学而先生(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科・顎顔面育成学分野教授)
「子どもの心の発達と口腔成育との関連 〜出生から児童期まで〜」
布柴靖枝先生(臨床心理士、家族心理士、上級教育カウンセラー、社会福祉士)
「子どもの成育におけるインフォームドコンセント 〜患者側から望むもの〜」
村松敦子先生 (弁護士)
「育児文化と親の健康観」
鈴木佐喜子先生(白梅学園短期大学保育科教授)
「吸うことから噛むことへ 口腔機能獲得のメカニズム」
田村文誉先生(昭和大学歯学部口腔衛生学講座講師)
「『食べる』から育つ心と身体 〜ライフステージに沿った子どもの「食」への支援〜」
佐々木 洋先生(東京都開業)
「成育医療センターにおける歯科の取り組み」
金田一純子先生(国立成育医療センター第2診療部 歯科医長)
口腔育成研究会の前身である、ClassIII研究会は2000年に「仙台宣言」を採択しています。それをここに紹介しておきます。
【仙台宣言】
- 口腔育成と生涯維持
健康な口腔の育成とそれを介した心身の健康福祉に寄与し、その生涯維持をめざします。
- 全人的医療
臨床的および倫理的判断に則って患者の利益を最優先した過不足のない診療を行います。
- インフォームド・コンセント
患者および家族が理解できる方法で十分に説明した上、患者の選択と同意を得て診療に望みます。
- セカンド・オピニオン
患者が他の歯科医師および医師の意見を参考にする権利を尊重します。
- 情報開示と守秘義務
患者には、知る権利を有するすべての診療情報を開示し、かつ患者の個人的情報は守秘します。
- エビデンス・ベイスド・メディスン
可能な限り科学的根拠に基づいた口腔育成の実践に努めます。
- 自己研鑽と情報提供
最新の医療について自己研鑽に努め、それによって得られた学識を広く伝えます。
- 保健・教育活動
保健・教育活動に積極的に参加し、口腔育成の社会的認知と共通理解が得られるように努めます。
2000年1月30日「仙台ClassIIIシンポジウム」

口腔育成とは、1997年に東北大学歯学部に設けられた口腔育成実習検討委員会(小児患者に対する臨床実習)において造られた用語です。「小児の歯・歯周組織・咬合・顎関節などの顎口腔系全体を対象に、その良好な機能と形態の生涯にわたる維持が可能となるように、予防を主体とした長期管理を行い、患者の口腔保健意識を育むこと」と定義されます。
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