#120
臨床検討会

演者ならびに講演内容 (Speakers and Contents)
 MBTシステム臨床検討会 (CLINICAL DISUCUSSION FOR MBT SYSTEM)
 古賀正忠 先生:古賀矯正歯科クリニック (Dr. KOGA, Masatada ; KOGA ORTHODONTIC OFFICE)

1)企画意図 (Planning Thought)
2)MBTシステムの概略 (History & Overview of MBT system)
3)MBTシステムに関する会員 アンケート要約 (Summary of the Questionnaire survey results)
4)検討テーマと演者 (The Theme of the discussion)

McLaughlin, Bennett, Trevisi 、各先生方がMBTシステムを発表してから6年、MBTシステム勉強会が始まってから3年、そして、MBTシステム研究会が発足して今年で2年が経過しようとしております。今までの会では会員の治験例の発表を中心に行ってまいりました。MBTシステムの普及に伴い、このシステムを用いられている先生方の臨床体験も長く深くなってきています。
このたびの研究会に先立ち、会員の先生方のMBTシステムに対するコメントをアンケート形式で書いていただきました。このアンケートではメカニクスを中心としたものにしました。アンケート結果につきましては、私の話の中で触れさせていただきますが、これを基にして、今回は4つのテーマを選び臨床検討会を企画しました。これらは、1)MBTシステムにおける前歯のトルク、2)MBTシステムにおける犬歯のトルク、3)スライディングメカニクス、4)アーチフォーム、ワイヤーセレクション、フィニッシングなどで、臨床経験の豊かな4人の先生にテーマ別に検討していただき、McLaughlin 先生、会場の先生方と一緒に話し合いをしたいと考えております。また、今回はMBTシステムの製品を供給してくれている、3Mユニテック社に対してもユーザーからのフィードバック、という意味で討論に参加していただければと思っております。大変時間が限られておりますが、積極的な意見交換がなされますようによろしくお願いいたします。

「上下顎前歯のトルク」(Anterior Incisors Torque)
 林 宏己 先生:林歯科矯正歯科 (Dr. HAYASHI, Hiroki ; HAYASHI ORTHODONTIC OFFICE)

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022 MBTシステムにおいては、上顎中切歯・側切歯のトルクは(+17。)(+10。)であり、下顎切歯のトルクは(- 6。)である。メインアーチは019x025 SSを用いる。この組み合わせは、抜歯治療では大変効果的であるが、非抜歯治療、及び下顎歯列内に歯牙の先天的欠損を伴う症例では、歯軸のコントロールが必要ではないか?日本人(東洋系)歯牙の特徴等を考えた場合、スタンダードトルクのブラケットも必要ではなかろうか?症例を通して、このようなことを検討してみたい。

「上下顎犬歯のトルク」(Canine torque)
 二宮 隆 先生:二宮矯正歯科 (Dr. NINOMIYA, Takashi ; NINOMIYA ORTHODONTIC OFFICE)

犬歯はミューチュアリープロテクテッドオクルージョンの鍵となる歯で、上下顎犬歯の効果的なトルクコントロールが必要である。また、犬歯はすべての歯牙の中で最も残存率が高い。これはすべての歯牙の中で歯根が最も長いためでもあろうが、矯正学的にはトルクの伝達が非効率となる。このようなことから、プリアジャステッドアプライアンスにおいても犬歯のトルク設定が重要な根拠となる。MBTシステムでは上下顎犬歯ブラケットに各々3種類のトルクを設定している。演者はまず、犬歯のトルク設定の根拠となる要素について考察する。次に犬歯ブラケットの選択を決定する6つの主な要因について臨床例を通じて検討する。最後にこれら要因について、問題点を列挙し皆様のご意見を頂きたいと思う。

「スライディング メカニクス」(Sliding Mechanics)
 竜 立雄 先生:奥羽大学 (Dr. RYU, Tatsuo ; OHU UNIVERSITY)

MBTシステムにおいてSliding Mechanicsは大きな特徴の一つであり、McLaughlinらは019x025 SSワイヤーを用いた効果的なスライディングの方法を示している。しかし、予想外に時間がかかる場合があったり、左右差が出たり、スペースの残留することがある。今回、Sliding Mechanicsの効率化を阻害すると思われる事項について問題提起し、それらの解決策を検討してみたい。

「アーチフォーム,ワイヤーセレクション、フィニッシング、そして3Mユニテックへの希望」
 (Arch Form, Wire Selection, Finishing, etc and Proposal to 3M Unitek)
 新倉 良一 先生:新倉歯科医院 (Dr. NIIKURA, Ryoich ; NIIKURA ORTHODONTIC OFFICE)

当初、日本人のアーチフォームはタイプが多いというデーターがあったが、タイプ。も多いという声も聞く。MBTシステムでは、メインアーチの数をできれば3本にすることを提案している、しかしながら、.016 HANT ワイヤーと019x025 HANT ワイヤーとの間に、中間的なレベリングワイヤーを用いる方が、レベリングがスムーズでないかとも思われる。また、日本の叢生症例の治療では、使用ワイヤーは多くならないか、フィニッシングでワイヤーサイズを落すと、せっかく創った咬合を崩す可能性はないか、などの点について先生方と意見を交換したい。また今回は、時間があれば3Mユニテックの製品についても、いくつかの提案ができればと考えている。