#119
【Section 2】
「餅は餅屋」の発送で、PR会社に業務依托



菅沼 さて、話しは変わりますが、2003年度からはプラップ・ジャパンというPR会社を利用した本格的な広報活動が始まりました。ただ、それに向けては、前回も触れましたように、広報活動の意義や、「広告」と「広報」の違いを会員に理解してもらうことが前提となりますね。

平木 その通りです。ただ、我々の最初の広報活動が啓発意見広告だったために、「広告」と「広報」の違いが会員の方々には理解しづらかったと思うんです。なので、PR会社という組織の役割を理解してもらうのに、やはり時間がかかりました(笑)。

池森 なぜPR会社を起用しようとしたかをお話ますと、ムックをつくり、大学との連携研究も行って、というところまできて、その次の動きとしては、もう少し一般企業並みの広報活動に目を向けていくべきだろうと考えたわけです。そのためには、やはりPRを専門的に行っている企業のノウハウが必要になるだろうと。ただ、PR会社との契約を事業予算に組み込むには、菅沼先生が先ほどおっしゃったように、「広報」と「広告」は何がどう違うかという認知を会員の皆さんにしていただく必要があります。何と言っても、契約することで費用が発生しますから。

平木 我々の会にとって、PR会社に月額100万円なりの費用を払うのはかなり大きな出費ですからね。しかもPR会社は広告代理店のように具体的な広告物をつくりだしてくれるわけじゃありません。「パブリシティ」といわれるニュースリリースなどをメディアに向けて発信して、当会の活動を周知させてくれる立場ですから。そこで、広告代理店ではないという認識を徹底しもらうことが必要になったわけです。

池森 もちろん、決められた予算があって、その中でやらなければいけないことなので、新しいことをするためには、何かの費用を削らなければなりません。そこで、2003年度は啓発意見広告の制作費を削除することにしたました。その代わりPR会社に広報委託をしたんですが、そうすることにどれだけの価値があるかを会員にご理解いただくために、マスメディアへの露出度合を広告費に換算する事で費用対効果の目安にしたんです。

菅沼 と申しますと?

池森 PR会社が間に立って活動することで新聞や雑誌などに当会の活動に関する記事がどれだけ誘致できたか。そして、それは我々が独自に啓発意見広告などをつくって媒体に掲載するのと比べると、どれだけ経費の節減につながったのか、ということを数字で示したわけです。

平木 そもそも、『大人の矯正歯科Book』のときも、最初は皆さん、どんなものができるのか想像もつかないわけで、なかば半信半疑で見てらっしゃったと思うんです。でもでも実際出来上がったムックを手にすると、「これだったら」という賛同がグッとあがったというのがあるわけですね。PR会社の参画についても同様で、新聞やテレビにパブリシティで記事が誘致できたのを見て、はじめて効果を実感いただけたというのがあります。

池森 評論家の中には、PR会社に大枚な費用を払うことに対して、反面好ましくなく、反面当然という、相反する評価をされる方がいらっしゃるんです。なぜ好ましくないかと言いますと、業者を使わなくても自分たちで広報のニューズレターを出せば費用を抑えられるではにか、という発想なんですね。でもそれはその方が業界を知っていらっしゃるから言えることであって、我々のような専門外だとどうしても専門家に頼らざるを得ないわけです。

菅沼 確かに、それはありますね。とすると、大事なのはやはり、必要コストをどうやって会員に納得してもらうか、ですね。

池森 そうですね。コスト面でいうと、やはり中小よりも大手PR会社のほうが高額です。ですから、「最初から大手と契約するのではなくて、もっと小さなところでやれば」という案も出ていたんです。それで、いろんなPR会社の方に会って、費用の面や広報活動にどのような方法論を用いるかなどの話しをうかがいました。その結果、やはり大手のほうが業界との連携が強く、いろんなノウハウを御存じだし、それに我々と類似する他業種の広報をすでに手がけてみえるので、それは強いなと。
 一歩、小規模なところは院内に置くパブリックツール等や、製薬会社や医療関係のプロパと病因とが連携して患者さんに渡すようなツールの制作を担当されていたりはするんですが、やはり範囲が狭いんですね。我々としては、先ほど菅沼先生がおっしゃったように幅広い世代に向けて告知していきたいので、そういう広報活動は大手ではないと難しいなと判断したわけです。

菅沼 前回のお話で、啓発意見広告の出稿媒体を決めるときに「世代の異なる層にアプローチするために掲載する雑誌をいくつかわけた」というお話がありましたが、そのときの判断とにていますね。

池森 そうですね。ただ、雑誌に広告を出すときよりも、このときのほうが緊張しました(笑)。なんといっても年間契約ですから。会員の皆さんのご理解が本当にいただけるのかというのが心配でしたね。

平木 そもそも日本はノウハウにお金を払うということにたいして厳しい見方になるのかなという気もしました。

菅沼 とはいえ、最終的には2002年度中にPR会社とスポットでの契約を結ぶことができ、それが2003年度のフル契約を結びついていったというわけですね。

平木 そうなんです。我々がPR会社の存在を知ったときには、2002年度の事業計画がすでに決まっていましたから、なかなか難しかったんですが。そこで最初はフル契約ではなく、事業企画費の枠内で我々の事業計画を有効に推進するためにPR会社からいろんなアドバイスをいただくことにしたんです。そうする中で、PR会社のほうも我々の組織や活動についてより深く理解されるようになったのと、我々もPR会社の実力を肌で知るようになってきました。そうしたそうご理解を通して、やはり本格的にお願いするのが一番得策であろうということで、2003年度は年間でお願いすることになったわけです。

【表紙】 「矯正臨床ジャーナル〔JOURNAL OF ORTHODONTIC PRACTICE(JOP)〕
2004年2月号に院長が登場する座談会が掲載されました」
【はじめに】さらに多角的な広報活動のために-2年目の取り組み
【Section 1】大学との連係で一般の意見を吸い上げて
【Section 2】「餅は餅屋」の発送で、PR会社に業務依托
【Section 3】バッシング記事への対応策もレクチャー
【Section 4】聴衆の動員に差がついた「市民公開講座」
【Section 5】患者の立場からの情報提供を大切に