#118
【Section 4】
会員の納得を得るために分納性を選択



菅沼 ところで、新しいことを始めるに際して事業予算はどのようにたてられたんですか。

池森 事業規模の決め方には大きく二通りあると思うんです。一つは、まず事業計画を立てて、それに基づいて予算を決める方法。二つ目は、会員がどれだけ負担できるかを先に明確にして、それに見合った計画を決める方法。我々の場合、結局、やることが未知数ですので、後者を選ぼうとしました。そして、会員にご負担いただく金額として、年間10〜20万円の範囲を考えたんです。

平木 それを決めるのにも、会員の方からの意見を汲みましたね。そもそも、最初に我々が提案したのは、年間10万円の一括払いだったんです。そのことで会員の方から「一度に支払うのは、開業して間もない先生には負担が重い」という意見が出ました。「できれば月払いの分割にしてもらえないか」と。そこで、月1万円ずつに提案のしかたを変えたわけです。

池森 もともとこの会の年会費が7万円で、それに加えて新たに12万円の要求をすることになりましたので、反対も当然起こるはずですが、そこをご納得いただくために、先ほど申しましたNTTのタウンページの会員の皆さんが掲載されている広告の経費とその効果について引き合いに出してご説明しました。地域差があるのはわかるのですが、電話帳が置かれている立場も考え合わせて、今後の方向性として既存の広告方法をシフトするという考え方もありますよ、と。ただ、「月1万出してください」と言うのではなくて、あまり管理・意識されずに出費し続けている宣伝広告費を違う形にしてはいかがですか、というアプローチですね。これは現場で会員にご説明させていただいた際に、会員の皆さんに広告費のあり方に関して「ちょっと振り返って考えてみる」きっかけになればと思ったわけです。こういう取り組みによって、なんとかご理解いただけたかな、という感じです。
 とは言いましても、このように「広報」に関する展望の第1段が「意見広告」という「広告」が絡んできましたので、会員の皆さんにとっては「広報」と「広告」の位置関係がやはりわかりにくかったのかなぁ、と思っています。初年度から本格的なマスメディアに対する広報活動に全面的に取り組むには我々の準備も必要でしたので、初年度は助走としての位置づけとなりました。

平成14年度 特別広報活動事業費

平成15年度 特別広報活動事業費

広告掲載費 30,000,000
啓発MOOK出版費 10,000,000
パンフレット等印刷費 5,000,000
企画費 5,000,000



50,000,000


広告掲載費 4,000,000
広報キャラバン費 10,000,000
啓発MOOK出版費 10,000,000
WEB改訂費 6,000,000
パンフレット等印刷費 2,000,000
企画費 18,000,000

50,000,000




矯正歯科治療を広く一般的に理解してもらう目的で、日本臨床矯正歯科医会が監修した啓発ムック『目指せ!きれいな歯並び 大人の矯正歯科Book』は2002年12月に世界文化社から発刊された。ほぼ同時期に、同会神奈川支部より『専門のお医者さんが語るQ&A矯正歯科』が保健同人社から発行された。

【表紙】矯正臨床ジャーナル2004年1月号に院長が登場する座談会が掲載されました
【はじめに】我々は、なぜ広報活動を始めたか―初年度の取り組み
【Section 1】外部専門家の声を聞くことを皮切りに
【Section 2】各支部を訪ね、会員の声を吸い上げて
【Section 3】雑誌広告は一誌集中から、分散化へ
【Section 4】会員の納得を得るために分納性を選択
【Section 5】広報活動は、持続させることが大切