#118
【Section 3】
雑誌広告は一誌集中から、分散化へ



菅沼 そういう取り組みを経て、総会での反応としてはいかがでしたか。

平木 やはり、喧々諤々の議論がありました(笑)。広報活動をやらなければならないと言う必要性は多くの会員の方に認めていただいたんですが、議論が集中したのは、むしろ、どういう方法をとるかということでしたね。

菅沼 矯正歯科治療について広く一般に理解していただくために、どのような方法をとるか、ということですね。そのための活動の柱として、初年度では雑誌に啓発意見広告を展開すると言う案がありましたね。

平木 ええ、当時は掲載を一誌に絞って年間を通じて出稿するという案を提案していたんです。ただ、雑誌というのはどうしても好みがありますから、会員から「こういう雑誌に出してほしい」という意見がたくさん出まして。それを汲むカタチで、結局は複数の雑誌、読者層の異なる雑誌に出稿することに方向転換したわけです。

菅沼 そして選ばれた雑誌が「日経ヘルス」「オレンジページ」「家庭画報」ですね。

池森 そうです。ただ、啓発意見広告を出したいというこちらの提案に対して、それではダメだとおっしゃる会員の先生もいらっしゃいましたね。それよりも出版物をつくったほうがいいと。その先生方はご自身でも出版をされたり、取材を受けたりされたことがあったので、その反応をご存じだったんですね。
 ただ、我々はそういう経験がありませんでしたから、わからなかったんです。だから、最初は我々としては出版はやりたくありませんでした。手間ひまがかかって大変そうな印象があったので
(笑)。なので新たに書籍をつくるというより、すでに出版されている書籍のリニューアル版を当会でつくることにしようかと思っていたんです。でも、総会の場で「やはり出版を」という強い意見もありまして、結局、年度の途中で出版計画を進めることになりました。

菅沼 私は昨年度、この広報事業が始まってから任期の途中で、広報委員になりましたが、こうやって立ち上げ期のはなしをうかがっていますと、決定までの動きがかなり速いですね(笑)。

池森 それが当時から今におけるこのメンバーの特徴ですね。フットワークが軽いんです。たとえば、全国行脚の途中でも、将来出版する際にどの出版社から出すのがいいか、費用はどれくらいかかるのかといった打診を早め早めにしていました。
 でも、我々も開業医として自分達の診療所を運営していますから、それを犠牲にするわけにはいきません。ですから、多くの連絡はメールで行ない、でもやはり直接面談して打ち合わせなければならない場面もありますので、それはお互いの休診日を当てるという努力をしました。そういう具合なので、その間はお休みがなかったようなもので、委員会のメンバーにはそれなりのご負担をお願いしましたが、とてもよかったと思うのは、メンバーが共通の価値観をもって事業遂行に協力してくれたことです。これは本当にありがたいことでした。

菅沼 話は戻りますが、総会の時、多くの先生方は提案された内容について納得されていたんでしょうか。

平木 聞いていらした会員の方々が、そのとき、どこまで正確にイメージを描けたかはわかりませんが、なにか自分たちが今までできなかったことがそこにあるのでは、というふうに期待していただいたのではと思いますね。それと、池森先生も私も新任の委員長と理事でしたので、その期待を未知数の人間にかけてみようというところがあったのではと、手前味噌ながら思います。

池森 とにかくこの事業と言うのは、本会の年間予算の2倍を超える金額を投じることになる大事業なわけです。それでも会員の皆さんは、今。新しいことをしなければという目的意識を持っていらしたのだとおもいます。







2002年8月から2003年3月に発売された「日経ヘルス」(上)、「オレンジページ」(左)、「家庭画報」(右)に計9回に渡って掲載された日本臨床歯科医会の啓発意見広告。ちなみに「家庭画報」に掲載された広告は、日本広告主協会の「第43回・消費者のためになった広告コンクール」雑誌部門において銅賞を受賞した。

【表紙】矯正臨床ジャーナル2004年1月号に院長が登場する座談会が掲載されました
【はじめに】我々は、なぜ広報活動を始めたか―初年度の取り組み
【Section 1】外部専門家の声を聞くことを皮切りに
【Section 2】各支部を訪ね、会員の声を吸い上げて
【Section 3】雑誌広告は一誌集中から、分散化へ
【Section 4】会員の納得を得るために分納性を選択
【Section 5】広報活動は、持続させることが大切