#118
【Section 2】
各支部を訪ね、会員の声を吸い上げて





すこやかな口もとを象徴する日本臨床矯正歯科医会のロゴマーク。広報活動を行なううえで、グループのポリシーやアイデンティティを伝達する役割を担っている。




インターネット環境の急速な発達にともない、重要度を増してきたホームページ。日本臨床矯正歯科医会では1998年の開設以来、公式サイトは広く社会全般への啓発手段となっている。
平木 さらに、それらと平行して、団体として広報活動をしていくのであれば団体名をアピールするためのBI(ブランド・アイデンティティ)を確立しなければ、ということで、以前からあったロゴマークを折に触れて押し出していくことに決めました。あとは、日本臨床矯正歯科医会という名前が長いので「矯正歯科医会」という短い名称を表に出すとか、当会のホームページを患者さんやマスメディアに対しての最終的な受け皿にしていくために充実させていくとか。
ただ、ホームページを認識させるためには、まず矯正歯科に関する情報をいろんな場面を通じて露出していかなければなりません。そのために、新聞や雑誌を使って我々の活動を興味をもって知ってもらえるような意見広告をつくることから始めようとしたんです。

菅沼 それには、やはり会員に理解してもらうことが必要ですよね。日本臨床矯正歯科医会は全国に会員が散らばっているので、そのあたりのコンセンサスが難しかったと思うのですが。

池森 まさに、そこがポイントでした。そこで、我々は会員の皆さんに広報活動の必要性や内容についてご理解いただくために、当時の広報委員のメンバーと執行部の三役が全国の各支部にうかがって会員の皆さんに直接説明し、ご理解をたまわりながら進めていくことにしたんです。そのときに一番重点を置いたのが、そもそも「広報」とは何なのか? ということでした。つまり「広報」と「広告」の違いをご理解いただくことですね。

平木 こういうことは。我々の説明を直接お聞きになった支部代表の先生方にはご納得いただきやすいんですが、間接的に聞かれた支部内のほかの先生方にはなかなか賛同が得られにくいものです。ならば広報担当者が直接その地域に出向いて説明させていただくのが早いだろうといことで、当時の広報担当者と執行部の三役が各支部を回って説明することにしたわけですね。
 各支部に出向いてみて、改めてわかったのが、“地域ごとの実情はその地域に行ってみないとわからない”ということでした。そこにいらっしゃる先生も、ふだん大会や例会などでお会いするときとはまた違った側面が見えましたね。先生方が抱えていらっしゃる社会的な背景に対する理解が深まりましたし、こちらが行動することで先生方のご理解を得やすくなったと思います。それと、多くの先生方からの意見を吸い上げることで、当初のプランをより納得のいくものに修正することが出来ました。なので、結果的にこの方法は良かったと思いますね。

菅沼 とはいえ、診療をされながらの活動ですから、当時は大変だったのでは。

平木 「全国行脚」と言ってました(笑)。1か月に3、4回は支部を回っていましたから。一か所にいるのは1日ですが、正味2ヶ月と言う時間的な制約の中で、札幌に行って、つくばに行って、また東京に、という強行軍もやりましたね。といいますのも、2002年3月に全国の会員が出席する総会を控えていたので、そこで討議をするために、それまで各支部で説明を聞いていただく必要があったんです。

【表紙】矯正臨床ジャーナル2004年1月号に院長が登場する座談会が掲載されました
【はじめに】我々は、なぜ広報活動を始めたか―初年度の取り組み
【Section 1】外部専門家の声を聞くことを皮切りに
【Section 2】各支部を訪ね、会員の声を吸い上げて
【Section 3】雑誌広告は一誌集中から、分散化へ
【Section 4】会員の納得を得るために分納性を選択
【Section 5】広報活動は、持続させることが大切