#110

スタッフ一同

平成15年10月8日〜10日に新潟の朱鷺メッセで開催された第62回日本矯正歯科学会大会に9日、10日の二日間参加してきました。
今大会のメインテーマ『ESSA(Experiences Skills Science and Art)越佐』をもとに、たくさんの講演やセミナーがありました。そのたくさんの講演の中で、私達は9日の「スタッフ&ドクターセミナー」を拝聴してきました。


「患者さんのモチべーションを高めるために」
東京 高橋矯正歯科クリニック
高橋 治先生
高橋未哉子先生
矯正歯科治療を順調に進めるには口腔衛生、ゴム、ヘットギアの装着、口腔筋機能療法などに関する協力が不可欠ですが勉強、習い事、家事、仕事、人付き合いなどがいろいろとある中でいかに矯正治療に関して手間と時間がかかるかを理解していただく必要があります。また、日々の生活の中で小さな「やりがい」を患者さんが積み重ねることができるように術者が調整し、最終目標に無理なく導く事が重要であり、現在の治療の段階がどこであるかをまめに伝えるなどの工夫や対策が必要との事でした。

「教育・動機付けを重視した矯正治療患者のウ蝕・歯周病管理」
〜より楽しくより効果的に〜
大阪 イノウエ矯正歯科
井上裕子先生
定期的に検診とクリーニングを受けるという習慣が定着しているとは言い難いわが国では、矯正歯科医院における患者さんのウ蝕・歯周病の予防管理は不可欠であると考える。また、自覚症状のないウ蝕や歯周病を見極めコントロールしていくことが要求される。井上先生の診療室では、患者さんに予防管理の大切さを知ってもらうためにパワーポイントを使い、予防歯科教室を開いているとのことでした。問題の原因を考えて対策をたてることが大切で、科学的な知識を解りやすく説明し、それを理解してもらえれば、自分はどうすればよいか、自然とわかるはずとのことでした。それでも危険な状況になることがある反抗期の子供達に対しては、装置を最小限にするか、場合によってはマルチブラケットによる治療を遅らせることもあるそうです。初診時、及び第2期治療開始時には子供の意思ををしっかり確認する必要があります。単に矯正装置によって虫歯を作らない為にという発想ではなく、生涯に亘る歯の健康の為にという1つの目標に向かって、患者さん自身と衛生士と矯正歯科医がそれぞれの力を出し合うという意識を持つことが大切とのことでした。


「リハビリメイクの紹介」
東京 スタジオ KAZUKI
かづきれいこ先生
・カバーメイク=カモフラージュメイク
 
主観:患部を隠すこと→患者さんが患部をメイクによって隠しているということに引け目を感じ、このことが患者さんの社会復帰の妨げとなる場合がある。

・リハビリメイク=手術や外傷、及び熱傷後の瘢痕、血管腫、皮膚の変化などに対して、メイクアップによる心を癒す精神的ケアを提唱し実践。
 
目的:患部の完全な被覆を必ずしも必要とはせず、当人と他者の視線を患部ではなく目や眉毛などに移すことも重要とし、単に隠すのではなく全体の印象を向上させることを重視し、患者さんが外観を気にならなくなってくれること。

・リハビリメイクの技術

・簡単(時間短縮)・つけている圧迫感がない・人から見て厚く見えない・若々しい肌・くずれない

・一般の化粧品と変わらないものを使用
 (1)早い(2)くずれにくい(3)自然であるということを常に目指している

・キーポイント
 患者さん本人にとって納得のいく美をもたらすこと

・アプローチ
 その人の顔を全体として美しく、魅力的に見せるメイクを施す

・チャームポイントの強調(視点を変える)・カバーメイク・アンチエイジング・流行のメイク

・カウンセリング→心の内を話してくれる

・リハビリメイクの効果

・自己のボディーイメージの変貌、受容

・自身の回復、創造

・リハビリメイクと医療機関

・アート(芸術)とサイエンス(科学)

・臨床との有機的結合→外観のメディカルコーディネーター

・医療機関へ求めるもの

・コーディネーターの養成と配置・倫理的問題の解決・医師と患者間における目標

(ゴール)の統一
  この後、実際に実演をしていただきました。その人の一番気にしているところを瞬時に見抜き、そこを目立たないようにメイクをしていきました。メイクの仕方を矯正治療中の患者さんにも教えていけば、治療中でもその部分ばかりがきにならなくなるのではとのことでした。実際にメイクを見てみると確かに別人のようでした。ただ、そのことを的確に患者さんに伝えることはとても難しいなと思いました。

感想
今回の学会ではスタッフ&ドクターセミナーにおいてのかづき先生の講演が一番心に残っています。
実際の矯正治療においてその内容をどう活用するかといわれると、難しいですが、場所によっては患者さんの不安を取り除くことができるかもしれない手段として、頭に入れておきたいと思います。
高橋先生や井上先生の講演では、当院でも行っているポイントゲッターのように、がんばった患者さんへのご褒美というのは、治療や歯磨きに対してのやる気を促すために良い方法なのだと改めて感じました。
患者さんの不安を少しでも軽減し治療に対してはさらに意欲が高まるように今後もいろいろと考えていきたいと思います。