#074


院長 菅沼與明


2002年2月15日、東京新宿のセンチュリー・ハイアットホテルで行われた、MBTシステム研究会第2回例会において当院院長の菅沼與明が症例発表を行いました。昨年に引き続き開催されたこの回には約40名ほどの矯正歯科医が参加しておりました。
当日は午前中と午後に8名のDr.によるMBTシステムによって治療が行われた症例の発表が行われ、MBTシステムについて検討がなされ、Dr.McLaughlinからコメントを頂いたり、参加したDr.による質疑応答や、ディスカッションがされたりしました。
また、Dr.McLaughlinが「MBTオーバービュー」と題したレクチャーをされ、今後のMBT Systemの進化の方向性についても講演されました。
私の発表は「治療プランを大幅に変更し、外科的矯正治療を行った上顎前突転医症例」と題し、上下顎の手術を行った症例を発表致しました。(下記の発表抄録参照)Dr.McLaughlinから、症例に対して評価して頂きたい大変光栄に思っています。
研究会の最後には総会が開かれました。私も役員をお引き受けし、研究会の運営に携わっている関係上、無事総会が終えられ何よりでした。
今後とも、患者さんに質の高い矯正歯科治療が提供できますよう研鑽を重ねたいと思っています。


隣は奥羽大学歯学部矯正歯科の竜先生


抄録


「治療プランを大幅に変更し、外科的矯正治療を行った上顎前突転医症例」
菅沼與明 菅沼矯正歯科

(症例)初診時年齢:22歳 5ヵ月 女性
(初診)1998年5月
(主訴)転居による通院困難のため転医・矯正歯科治療の継続、上顎前突 
(全身状態・既往歴)甲状腺機能亢進症
(所見)当院の初診時には、顔貌所見として、上下唇の突出ならびに口唇閉鎖不全、口唇閉鎖時に口腔周囲筋の緊張が認められた。口腔内所見は上顎両側第2大臼歯と下顎両側第1小臼歯が抜歯され、上顎両側第3大臼歯が萌出中であった。下顎にLingual archと上下顎にEdgewise装置(.018 Slot size)が装着され、Leveling中であった。大臼歯の咬合関係は両側ともClass IIでOverjet は10mmであった。セファロ所見では骨格的には、SNA 81°,SNB 71°,ANB 10°A-N ┴ FH 4.5mm ,Po-N ┴FH −12mm と上顎骨の前突と下顎後退による骨格性の上顎前突を示していた。U-1 to FH 119°,L-1 to Mandibular 99°とやや唇側傾斜を示していた。機能的には、顎関節症の既往は無いものの、CO-CRの著しいずれが認められた。CPIデータでは両側顎関節でCOはCRより5mm前下方に偏位していた。また、顎関節パノラマ断層X線写真では、両側関節頭の変形(フラットニング)が認められた。
(診断)上顎両側第2大臼歯、下顎両側第1小臼歯既抜歯、叢生を伴う、下顎後退による骨格性上顎前突症
(治療計画)上下顎移動術による外科的矯正治療の適用と診断した.上顎前歯唇側傾斜の改善のため上顎側第一小臼歯の抜歯が必要であったが、下顎第1小臼歯の抜歯スペースがすでに狭くなっており、これから上顎小臼歯を抜歯すると、外科的手術まで時間を要するとから、上顎については両側第1小臼歯部でのWassmund-Wunderer法を行い、下顎については下顎枝矢状分割術による下顎前方移動を行うこととした。また、装着中のLingual archとEdgewise装置については除去し、.022MBT Systemを装着した。
(使用装置).022 MBT system (Lower : direct bonding , Upper : Indirect bonding)  
(治療期間)2年 (当院での治療期間)
(治療評価)上下顎の前後的なバランスも取れ、口唇閉鎖もスムーズになり、顔貌も改善された。また、安定した咬合状態が得られた。