#064

 平成14年10月22日〜24日に名古屋国際会議場で開催された第61回日本矯正歯科学会大会に23日・24日の2日間参加してきました。今大会のメインテーマは「顔のバランスと調和Golden Facial Proportion」。シンポジウムでは「美しい顔とは」というテーマで、治療ゴール、遺伝、形態、機能ならびに心理という観点で検討されており、4名の先生の講演を拝聴しました。

矯正治療と顔の美
よこざわ歯科矯正 与五沢文夫先生

 矯正治療は、歯列、顎を含む顎顔面に形態変化を与える治療であるから、歯科診療のなかにあって特に顔の美と大きく関わっています。矯正治療は美しくなるためにだけに行われるものではないが、美しくなるために行われるものであるから、日常の矯正臨床際して、術者なりの顔の美についての概念整理を行っておく必要があると思われます。

美しい顔は平均顔である?
九州大学大学院歯学研究院口腔保険推進学講座 咬合再建制御学教授 中島昭彦先生

 矯正及び外科矯正の臨床では平均値に向かった治療計画が立てられ、治療によって平均的形態が獲得されれば審美的な改善がもたらされる。異常であるから平均値に近づけるのではなく、多くの人が平均的形態を美しいと思うから、それを治療の目標とする意味があります。平均する顔の数が増えるほど審美性の評価が上昇することから、美しい顔は平均顔であると結論づけられます。

日本人の美貌観は変わるか
立教大学大学院非常勤講師 日本顔学会理事 村澤博人先生

 外見と内面という視点から
 日本には古来、顔隠し文化・正面顔文化が存在したが20世紀後半、若者文化の台頭などにより表面的には変化したように見えます。
 外見を良くする仕事に対する評価(美容師・エステティシャン・メイクアップアーティストなど)が高まり、男性のメークの流行などにより、見られて評価される時代に変化しつつあります。どう装うかということがどう生きるかということにつながり、歯や歯並び、化粧を含めた装いがその人の生きていく価値観になっていきます。「社会が決めてくれた自分らしさ」から「自分で自分らしさ」を決めていく時代です。

つくられる顔の美意識
大阪大学大学院人間科学研究科教授 大坊郁夫先生

 阪大学大学院人間科学研究科教授 大坊郁夫先生
 顔は個人を識別する手がかりであり、対人行動に大きな影響を与えます。ユニークな特徴は注目を集める顕著さであり、幼さの特徴は保護の対象として、成熟した特徴は異性選択の手がかりの意味があり、目や口に由来するコミュニケーション(表現)力の特徴はこれらの意味を増幅する役割をもちます。顔の構造的特徴は、民族的特徴や加齢などの生物学的な面での特徴の違いに加え、社会的脈略や個人の特徴と結びつけて判断されます。「顔」に抱く魅力を探ることによって、適応についての進化的な歴史性を考えることができるとともに、評価する個人の特質、見る側と見られる側相互の対人関係の特徴、社会性、文化についても多くを知ることができます。

つくられる顔の美意識
大阪大学大学院人間科学研究科教授 大坊郁夫先生

 顔は個人を識別する手がかりであり、対人行動に大きな影響を与えます。ユニークな特徴は注目を集める顕著さであり、幼さの特徴は保護の対象として、成熟した特徴は異性選択の手がかりの意味があり、目や口に由来するコミュニケーション(表現)力の特徴はこれらの意味を増幅する役割をもちます。顔の構造的特徴は、民族的特徴や加齢などの生物学的な面での特徴の違いに加え、社会的脈略や個人の特徴と結びつけて判断されます。「顔」に抱く魅力を探ることによって、適応についての進化的な歴史性を考えることができるとともに、評価する個人の特質、見る側と見られる側相互の対人関係の特徴、社会性、文化についても多くを知ることができます。

 テーマのとおり「美しい顔」や「美」などのお話が中心でした。形態の美、つまりは見た目(外見)においては矯正治療によって平均顔=美しい顔に近づけると考えられますが、「魅力」という観点から見れば、それはその人の生活や経験などからくる内面の感情などが表情としてあらわれるもので、その違いは認識しておく必要があるのだと感じました。ただ、矯正治療により、コンプレックスを感じていた部分が改善された時は、多くの患者さんが笑顔になり、魅力もアップしているように感じます。

 それ以外に歯科衛生士は『PMTC 矯正歯科への導入』ということで、本格的にう蝕と歯周病を予防するのであればPMTCの導入は受診者にとっても、医療従事者にも大変価値の高いものであり、プロケアを大いに役立たせていきたいと考えていらっしゃるフリーランスである遊佐さんの講演をお聞きしました。
 今日はココに磨き残しがありましたよ。磨き残しの無いようにブラッシングをしなさいと歯科医院に行くたびに言われていると、毎回自分のブラッシングを否定されているようで来る度に傷つき、来る度に衛生士嫌いになるのではないでしょうか。と遊佐さんはおっしゃっていました。がんばりすぎてしまって歯磨きに疲れてしまった方、ブラッシングが難しい方、もちろん当院にいらっしゃっている方々にPMTCを用いて、これから虫歯になる可能性を取り除き、また歯磨きを楽しくするお手伝いになればいいなと考えています。

 24日にはスタッフ・アンド・ドクターセミナーを拝聴しました。「スタッフは患者さんならびにドクターのニーズにどのように応えられるか」として2件の矯正歯科医院のドクターとスタッフの話をお聞きしました。

矯正歯科専門医院におけるスタッフの役割
いけもり矯正歯科 池森由幸先生

 矯正歯科専門開業医院の使命はきれいな歯並び、よりよい機能を持った咬み合わせ、そして顔貌とのバランスを考えた口許を提供することにあります。これは歯科における「究極の予防と育成」でもあります。

患者さんは何を求めるのか?
 基本的な要求として技術・時間・費用があり、それとともに、成型の要求として情報・安全・満足があります。では患者さんの要求はこれだけでしょうか?
他にも、総合的に評価する「快適」・精神的な快適さ(この医院では私は大事にされていると思える環境を作り上げる)があります。「快適さ」とはイコール「充分な説明」が行われることです。

 矯正歯科専門医院の特徴として診断手順や臨床の流れが体系的にまとまっていること、また、医院管理(オフィス・マネージメント)においても体系的な組織作りがしやすいということがあります。事業者としては、自身によるオフィスマネージメントを!また、社会に対して「顔」を持ち、そして投資(間接的なものが教育)を!
スタッフ&ドクターの時は「スタッフは患者さんならびにドクターのニーズにどのように応えられるか」だが、事業者側からでは「ドクターは、患者さんならびにドクターのニーズに応えられるスタッフ養成をどのように行うのか」と考えられます。

T.Q.M.の矯正歯科への応用
サトウ矯正歯科クリニック 佐藤英彦先生

 T.Q.C(T.Q.M.=Total Quality Management)の特徴
 患者第一・全員参加・科学的であり合理的である・サークル活動を主体とする
T.Q.M.ストーリー(期間を決めて定期的に行う)
◆テーマの選定→◆選定の理由、目標の明確化→◆現状の把握→◆原因の追求
→◆対策の立案と実施→◆効果の確認→◆歯止め、標準化→◆残った問題と今後の活動
T.Q.活動・・・急患数を減らす、D.B.S.の脱落率の減少、口腔内写真における再撮の減少
       修理による待ち時間の短縮、電話予約時のファイル探し時間の短縮など
臨床における三つの「K」→経験・勘・決断(度胸?)
矯正治療における三つの「感」として
  1.感謝がなければ治療費に不満がある       
  2.感激がなければ治療内容に満足しない      
  3.感動がなければ人を紹介してくれない      
コミュニケーションの秘訣は
「難しいことを やさしく、やさしいことを 深く、深いことを 愉快に」
仕事に対する心構え・・・一日いちにちを 大切に丁寧に
            一人ひとりを  大切に丁寧に
            一言ひとことを 大切に丁寧に
患者・スタッフ・ドクターの三者全てにおいて気持ちが一緒にならなければならない。

  今までやってきたことの中にも、出来ているようで、出来ていないこと、満足できない時があるかと思います。
うまくいかないことがあった時にはそのままにせずに一つずつ見直し、何が原因かを突き止めることが必要かと思います。日々が、経験、勘、決断につながっていくというこの講習を聞いて再度確認することが出来ました。
 毎回、学会や講習会に参加するたびに思い直させられることや、参考にしたいこと、今後実践してみたいことなどがあります。今回の学会でも当院においてプラスとなるような事柄がありましたら、早急に検討し、取り入れて行きたいと思います。

【スタッフ一同】