#031
尾崎みゆき・近藤千香
  3月3日に東京国際フォーラムで開催された、株式会社プラネット主催のシンポジウムに参加してきました。このシンポジウムは名古屋・大阪に続き、今回が最終章ということで、主催者側もとても力の入ったものでした。
 「魅力ある豊かな歯科医院を目指して」をテーマに、歯科医師や歯科衛生士、その他の職業の方など、色々な方面の方々からの講演を拝聴しましたが、そのどれもがとても興味を引かれる内容でした。

1.医院経営のTriangle Satisfaction〜顧客満足、職員満足、連携先満足〜
山形県酒田市開業  熊谷 崇先生

日本では歯科医師が年々増加しているのにもかかわらず、25年間DMFT指数(虫歯経験数)の推移の変化はないのに対して先進国では劇的に同指数が良い方向に変化しています。今まで行ってきたことは何だったのであろうか?と熊谷先生は問われました。これはデータを見て明らかにわかる結果でしたので愕然としました。今までブラッシング、砂糖制限、早期発見・早期治療を中心とした歯科治療を行って来ましたが、それだけではなく、予防と共にメインテナンスに力をいれないといけない時代が訪れています。矯正歯科ではなかなか取り入れることが困難な項目もありますが、できる範囲で患者さんへのお手伝いをしていきたいと思います。また、歯科医院経営についてのお話しでは、医師・スタッフ同士の協力なしでは良い歯科医院は成り立たないものであると言うことを特に強調されてました。私たちだけの殻に閉じこもらず、患者さんの意見をふまえながら、患者の立場に立ってお互いを評価し合い、より良い歯科医院を形成して行きたいと思います。

2.人と人とのつながりお歯科医院経営〜ネットでワーク〜
愛知県長久手町開業  原 正幸先生

熊谷先生がおっしゃったような、医院経営に大切なのは医師・スタッフ同士の協力に加え、それ以外の人とのつながりであるということ。例えば業者さんであったり、友人・先輩であったり、医院を取り巻く方々で、そういった周りとの連携(信頼や協力)が非常に大切であるとのことでした。
また、原先生の診療室では、スタッフ同士がお互いの診療中の言葉遣いや態度、技術などを評価しあい、高め合っているとのことです。そのような姿勢は見習いたいと思いました。

3.ワクワクできる歯科医院経営〜実践してみたらこうなった〜
宮城県仙台市開業  山田 芳広先生
ワニ・マネジメントコンサルティング  和仁 達也氏

経営を豊かにするための、一種の戦略のようなものを、和仁氏よりお話しいただきました。
簡単に言えば、諸経費の使い方を間違えないということ。使い方を間違えれば逆に経営を苦しめてしまうので注意が必要であるとのことでした。それを実践した山田先生は経営においてほぼ成功を収められていました。

4.コミュニケーション社会を生きる〜ディズニーランド成功の秘密はリピーターにあり〜
(株)オリエンタルランド顧問  堀 貞一郎氏

社会的価値決定基準は、人が生存し続けることへの希求(農業社会)→より良い暮らしへの希求・物の豊かさ(工業社会)→飽和化社会→情報交流・生き残る喜び・心の豊かさを求める(コミュニケーション社会)へと変化してきています。技術が優れているのは当然のことで、その他にいま人が求めているのはサービスと情報(コミュニケーション)ではないのでしょうか?歯科業界でも同じことが言えます。患者が求めるのは(人によって違いはありますが)、心の豊かさであり、サービスであり、親しみやすさなどであると思われます。コミュニケーション社会におけるサービスとは、物とは違って品質保持はできない物である。自分自身の心の中で生産し、自分で管理しなければなりません。その為には、お互いに意見を伝え合い、そしてそれを理解してもらうことが必要であると言えます。現在ではコミュニケーション社会の発展に伴い、コンピューターの普及が見られますが、堀さんのお話では、情報を管理するシステムが不完全で人がコンピューターに頼る部分が見られるとのことでした。人と接するのはあくまでも人であり、コンピューターは人の補助(サポート)として使用するものであると、お話ししていました。人と人との対応をおろそかにしてはならないということを教えられました。



 どの講演でも、患者満足や職員満足が今後の歯科医院経営において重要であり、診療において患者が何を求めているか?を理解するよう努力することが、私達が行うべき今後の医療サービスの充実の為の原点になるのではないかということを伝えているように思えました。診療に対する姿勢、患者との接し方、コミュニケーションの取り方など改めて考え直して行きたいと思います。