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| 2001 |

2001年9月14日~16日 第29回 日本臨床矯正歯科医会大会に参加して
小林裕実
川合香奈
岩瀬さよ子

  9月14日から16日に仙台市にて行われた『第29回 日本臨床矯正歯科医会大会』に菅沼矯正歯科では院長以下スタッフ一同で参加しました。スタッフのテーブル・ディスカッションとワークショップ、シンポジウムや社会医療委員会の報告や講演などを受けてきましたのでその模様を報告いたします。
スタッフのラウンドテーブル・ディスカッション「あの時、こうすればよかったのに・・・」では、実際、臨床の場において「あの時こうすればよかったのに・・・」と思うことや悩んでいること、気になることなどを初対面である他の医院のスタッフを交えた6名1グループずつに分かれて話し合いました。スタッフ間の問題や、患者さんからの電話対応の仕方、治療内容の説明などの意見が出ていました。
ワークショップ(カウンセリングの基礎の基礎)においては、テーブル・ディスカッションに引き続き臨床心理士・社会福祉士の布柴靖恵先生より、カウンセリングとは、患者の抱えている悩みから「話す→放つ→離れる」事を手助けしてあげることということを学びました。基本的な心得としてクライエントの感情表現を大切にすることや、援助者はクライエントの感情に引きずられないよう自分の感情をコントロールすることなど7つの原則について学びました。また、コミュニケーション技法として、言語コミュニケーションと、非言語コミュニケーションについて学びました。言語(言葉)は使いようによっては表面上のみになりやすく、コミュニケーションを成立させる為に重要なのはそれに付随してくる表情や声の調子であるということ。私達は実際、言語よりも非言語(表情や声の調子などの態度)に反応することが多く、患者さんとの信頼関係を築くうえで重要なポイントになるということをあらためて学びました。
また「子供達は『荒れ』ているか」というテーマで行われたシンポジウムでは、布柴靖恵先生、中学校教諭である瀬成田実先生、NHK番組チーフ・プロデューサーである坂上達夫先生のお話を聞きました。3名の先生方は共通して社会環境、家庭環境の問題をあげていました。多々ある子供の問題をとおして、私達大人が子供達の心を理解することが大切であるのだと思いました。
社会医療委員から「昨今のメディアによる矯正歯科バッシングへの対応」について報告がありました。その要旨は、情報源としてマスメディアの持つ影響力は大きく、内容によっては地域における評価や患者さんとの信頼関係が容易に傷つけられてしまう可能性が大きく、今後も重点的に取り上げ解決して行かなければならない問題なのだという報告でした。その様な中で矯正専門医がするべき事として、専門医の質の確保・維持・保証・治療根拠の明確化と矯正治療による利益とリスクの明確化などがあげられました。
2日目の午後は、形成外科美容外科医である塩谷信幸先生による特別講演を受けました。
「メスで心は癒されるか?」というテーマで、イエスという答えもあればノーという答えもある。要するに患者さんが治療を如何に受け取るかということで、いくら高い技術を持っていても、心が通わない医療で癒されることはないというお話をされました。
今回、2日間にわたる講演を受け、矯正歯科医院に勤めるスタッフとして、また、1人の人間として、とても多くのことを学びました。患者さんとの信頼関係を築くことや、今を生きる子供と大人との関係などあらためて考えさせられることが多くありました。
私たちが、学んだカウンセリングの心得やコミュニケーション技法を用いて、今以上に患者さんとの信頼関係を築き、治療等において患者さんやご家族の方達を不安がらせないように上手にコミュニケーションをとって行けるように努力し、そして、患者さん達の不安や不満を知って、それらを少しずつでも改善していけるよう努めたいと思います。