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| 2001 |

2001年1月22日 1月22日の東愛知新聞に院長菅沼與明の記事が掲載されました
Question.
私の上の歯の真ん中二本は、下の歯よりかなり出っ張っていて、前の歯がうまく噛み合いません。いわゆる出っ歯なんですが、歯と一緒に歯ぐきも相当出ています。 また、その隣の二番目の歯は真ん中の歯の内側に生えています。この歯並びを治したいのですが、矯正で治したほうがいいのか?手っ取り早くさし歯にしてしまったほうがいいのか、迷っています。

Answer.
私のような矯正歯科専門の立場からいうと、人工のものを使わず自分の歯で治す矯正歯科治療のほうが良いと思いますが、あなたのおっしゃるとおり、どちらも一長一短があります。ですから、まずそれをよく理解し、現在のあなたの歯の状態にベストの方法を選ぶのがよいと思います。
出っ歯を治す場合、矯正とさし歯では根本的に違います。まず、そのあたりを頭に入れておいてください。歯は歯槽骨という骨に植わっていますが、矯正の場合、歯を内側に動かすことによって、この歯槽骨も内側に引っ込んできます。つまり骨を含めた歯全体の移動が可能です。あなたの場合、歯ぐきも出ているということですが、歯を矯正することによって、歯ぐきも一緒に、上あご全体をある程度内側に引っ込めることができます。
ですから、歯の矯正だけで口もとがかなりすっきりしてくると思います。また出っ歯というと、前歯にばかり注意がいきますが、実は奥歯の噛み合わせも悪くなっている場合がほとんどです。つまり、歯全体に噛み合わせのズレがあります。
2001年1月22日
東愛知新聞朝刊

矯正歯科治療の場合は、奥歯の噛み合わせも考えたうえで治療しますから、前歯だけでなく歯全体の噛み合わせがよくなってきます。しかも、自分の歯を削ったり、神経を抜いたりせず、自分の歯で治せるという利点もあります。
ただ、矯正治療のマイナス面は治療に時間がかかるということです。成人の方ですと、やはり二~三年は治療期間を見なければなりませんから、それだけの時間的な余裕があるかどうかということは問題でしょう。
また、矯正装置に抵抗を感じておられる方は多いと思います。歯に金属の装置をつけている場合には見栄えを気にされる方は多いと思います。まして年ごろの娘さんならなおさらのこと。
でも、歯科医の立場からいうと、矯正していることをそんなに恥じる必要はないと思います。歯に対する意識が高いということは、それだけセルフケアの意識が高いということですから。アメリカではむしろ、歯並びが悪いと教養人の仲間に入れてもらえないくらいです。あなたも矯正をすることに、もっと自信を誇りを持ってください。
とはいえ、矯正装置に抵抗を感じる気持ちは分かります。そのような方のために目立ちにくい透明な色をした装置や、外から装置をしていることがわからない裏側からの治療法もあります。
従来の装置は、金属のブラケットを歯に接着していました。これでは口を開けるとすぐに金属の装置が目に飛び込んできます。その欠点を補うのが、セラミックのブラケットです。
セラミックは半透明で歯の色に近いので、歯の表面に取り付けてもほとんど目立ちません。わずかに細いワイヤがわかるくらいです。成人矯正ではこのセラミック装置を選ぶ人が増えています。
また、外からまったく知られずに矯正できるのが、舌側矯正です。歯の裏側にブラケットを取り付け、ワイヤでつなげる方法なので口を開けても人目に触れることはありません。ただし、舌側矯正では、治療期間が従来の歯の表面に装置をつける矯正法より長くかかるといわれています。
舌側矯正は特殊な技術が必要なので、矯正歯科専門医でもあまり行われておらず、治療費も高くなります。このように矯正治療は目立たない方向にどんどん進歩しています。
一方、さし歯ですが、歯冠部を切って、杭を縦に入れ、そこから歯を内側に向かせる。つまり歯だけが内側に入るわけです。歯の本来の位置は変わりませんから、歯の根っこやそれが植わっている骨(歯槽骨)もそのままです。
出ている部分だけが内側に入るだけですから、そこが矯正と大きく違うところです。神経を抜く必要もあるので、自分の歯は根っこしか残らなくなるのが、難点といえます。
 また、あなたの場合には前歯2本が出ていて、その隣の歯は内側に行っているので、差し歯で治療した場合には、歯の大きさのバランスが悪くなると思われます。さし歯の良いところは、矯正とは逆に短い期間で治療が終わることでしょう。
私の矯正歯科医としての個人的な意見としては、時間が許せば、矯正で治療することをお勧めしますが、どういう治療を選ぶかは、結局患者さんの価値観の問題だと思います。いずれの方法を選ぶにしても、かかりつけの歯科医院や矯正歯科医院で十分に話し合い、お決めになることが重要でしょう。

菅沼與明
2001年1月22日 東愛知新聞朝刊掲載
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