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| 2005 |

2005年1月28日・29日  Dr.Damonセミナー「ローフリクションとローフォースが変えた矯正治療」を受講して


院長 菅沼興明


2005年1月28日(金)と29日(土)にリーガロイヤルホテル東京で開催されたDr.Damonセミナーを受講しました。セミナーは「ローフリクションとローフォースが変えた矯正治療」と題し、彼が開発したDamon systemについての講演です。非常に盛況で200名を超える方が参加されたとのことです。講演はまず、彼が現在のDamon systemを開発されたバックグラウンドをお話しされました。ワシントン大学で生物学や細胞生物学を学び、当時の矯正歯科治療で行われていたHevy Forceをかけることに納得していなかったことが契機であること、矯正歯科治療を行った後、年月が経過し50歳になったときの顔貌がどうなるかを考えて治療をするべきとお話しされました。そして、舌圧や舌位口唇圧のバランスが重要である話をされました。Arch Formは舌や口唇などの筋肉が決めるものでそれぞれの患者で異なって当然との見解も述べられていました。

その後、Damon systemの特徴と治療を症例を織り交ぜながらご説明されました。特に、CT画像を示して、歯槽骨の変化とArchが拡大しても歯根がきちんと歯槽骨内に収まっていることを示されました。もちろん拡大にはRapid Palatal Expansionなどは使用せず大臼歯部で14mm、小臼歯で12~13mm、犬歯部で11mmも拡大されている。これはDamon systemによるLow FrictionによりLow Light slow Forceを作用させることが可能になったからだと言われていました。これまでの概念を覆す発表でもあり、私はとてもショックを受けました。Damon systemを治療に取り入れて間もない私は、まだ、なかなか実感出来ないのですが、Damon systemの利点として治療期間を短縮出来ること、患者の来院回数を減らすことが出来ること、1回の予約で調整にかける時間が短縮出来ることを上げていました。また、Low FrictionのブラケットにLow Light slow Forceを作用させることにより歯が動くときの不快感が少なく、また、結紮をしないことで装置の周囲のブラシイングが容易で清潔に保たれることを利点として上げられていました。

ただ、治療法選択の際の抜歯・非抜歯の基準が不明確でかなり彼の感覚的なところによる診断をされていることと、日本人と欧米人の側貌、口元や筋肉、骨格の違いを良く検討し、症例をきちんと診断することが重要だと感じました。日本人には叢生が多いことと、また、口唇閉鎖不全があり口元が出ている患者が多いことなどから、抜歯症例がやはり多くでてくるのではないかと思いました。2日間の講演はとても彼の情熱を感じましたし、矯正歯科治療に対する彼の思いを感じました。Damon Bracketもどんどん進化しており、Damon 2 BracketからDamon 3 Bracketが開発され、より審美的で開閉が行い易くなったとのことです。どんどん臨床の場に取り入れていきたいと思います。