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2013年6月16日に岐阜県岐阜市の長良川国際会議場で開催された第55回近畿東海矯正歯科学会学術大会・総会に出席してきました。その模様をレポートします。

今回の第55回近畿東海矯正歯科学会学術大会・総会では私が矯正歯科臨床の研修を積んだ東京歯科大学歯科矯正学講座の先生の特別講演で埋め尽くされた学会でした。
現在、東京歯科大学歯科矯正学講座の非常勤講師を務めさせていただいている身の私としては近畿東海と言う完全なるアウェーで講演される先輩の先生の応援のために朝から会場入りするため、前日から岐阜に移動して準備させていただきました。

この日の岐阜は大変な暑さでしたが、早朝に岐阜の町と長良川周辺をランニングしてから学会会場に出向きました。旅先でのランニングは見知らぬ町をワクワクしながらとても気持ち良く走ることが出来るので、最近はまっています。 岐阜城を眺めながらの長良川河畔のランニングは風がとても心地よかったです。



会場入りして、参加登録を済ませて直ぐにメインホールに入りました。前方の席を陣取り特別講演1「矯正歯科における卒後専門教育について」末石研二先生(東京歯科大学歯科矯正学講座主任教授)が始まるのを待ちました。末石教授には講演の始まる前にご挨拶させていただきましたが、いつものようにニコニコと余裕の笑顔でした。
講演は1975年に創設された東京歯科大学歯科矯正学講座の卒後研修過程について報告をされました。本年で39期生を迎え、修了者は293名を数えるそうです。私も修了者の一人です。
教育目標は「個々の症例に対して治療目標を設定し、治療メカニクスを想起、実行できる能力を養成する。」、「症例報告や研修論文の作成を行い、経験した症例の治療結果を評価し、自己研鑽を行う能力を獲得する」こととのことでした。 私も経験をした三年間の全日制コースは、全指導医との症例を担当し、講義、基礎実習を行い、主任指導位による学年制で運営されています。
口唇・口蓋裂や外科的矯正歯科症例を含めて全ての症例を経験することが要求されています。研修医一人当たりの担当患者数は新患配当として40症例以上であり、引き継ぎ患者を含めた患者の総数は100名を超えています。症例数に関しては私が在籍していた当時の方が少々多かったようです。 日本矯正歯科学会認定医規則および細則にあるの基本研修期間に必要な要件や米国(ADA)やAAO、EOS、WFOなどの専門医教育のガイドラインに関しても説明していただきました。
そして、研修医の身分や経済的負担、講義内容、修了後の進路などの課題が存在することも言及されていました。





次いで、教育講演「歯科矯正用アンカースクリューの適応拡大承認とガイドラインについて」坂本輝雄先生(東京歯科大学歯科矯正学講座講師)が行われました。
末石教授に続き坂本講師の東京歯科大学お二人目の講演です。
昨年、薬事承認をされた歯科矯正用アンカースクリューの使用に際して、適切な診断、適応症および治療メカニクスの選択、使用目的や必要性、有効性、代替の治療法などについて患者に十分説明を行い、文書により同意を得ることが必要であるとのことでした。特に動揺、脱落、感染、歯根への接触等のリスクに関しての説明義務があることを説明頂きました。



その後、お昼の時間帯は学術展示や症例展示、矯正器材の商社展示を見て回りました。

そして、14:55から、特別講演2「ブラケットプレースメントの2要素 ーIBDとQuick IDBSー」古賀正忠先生(古賀矯正歯科クリニック院長)をお聞きしました。
古賀先生も東京歯科大学歯科矯正学講座の出身であり助教授までお務めされました。言わずとしれた私の師匠です。
古賀先生はAndrews、Roth、McLaughlinと親交が深く、日本のストレートワイヤー、Programmed & Preadjusted Appliance System(PPAS)の第1人者です。ストレートワイヤーで歯列・咬合を再構築するうえで、ブラケットポジションは非常に重要な要素であるが、明確な基準が無く歯面上のブラケットの位置決定法が問題となっていました。AndrewsはFA Pointを、Mclaughlinはチャートを応用し、そしてKalangeはKalange Lineからの距離でポジションを決定する等の方法が発表されています。
古賀先生は彼らの方法の長所を取り入れ、ブラケットハイトに関する臨床研究データを用いたブラケットハイトの決定方法を開発しブラケットプレースメントに関する原則化を図られました。 そして、ブラケットプレースメントをブラケットポジションの決定要素と決定した位置にブラケットを接着する方法の2要素に分け、ブラケットプレースメントのためにIndividualized Bracket Placement Diagram (IBD)を開発し、ブラケットを接着するためにQuick Indirect Bonding System (Quick IDBS)を開発されました。
今回は今まで古賀先生が長年懸けて培ってこられたブラケットプレースメントに関するノウハウを惜しげも無く公開されていました。



今回は三講演とも東京歯科大学が独占してしまった近畿東海矯正歯科学会でした。
閉会式を終えて、三人の先生を会場の外までお見送りする時に、東京歯科大学歯科矯正学講座の出身者である事がとても誇らしい気分でした。